1
雲一つない真っ青な空が太陽一つを強調させる。
そんな素晴らしい快晴にもかかわらず空を見上げる暇もなさそうに、忙しそうに動き回る空港内に一つのジェット機が降り立った。
電光掲示板に書いていないジェット機にお客は一体何事か、と外を見やる。
定期便ではないそれに、誰かの私有物だということは明白。
お忍びで誰か有名人がきたか、と身構えれば――――降り立ったのは一人の少女。
しかし、その少女は芸能人かと見間違えてしまうほど可愛らしい顔立ちをしている。
その少女は水色のシンプルなワンピースの裾を踊らせて、眩しそうに空を見上げる。
そして屈託なく笑って、嬉しそうに「初めまして!」と叫んだ。
その笑顔は、青空の美しさにぴったりだった。
1 初めまして、これからよろしく
「やっと着いたー!」
飛行時間12時間という長時間、ずっと座っていたから体中が軋んじゃう。
途中でエコノミー症候群になっちゃうかと思ったよ。
うーん、っと広い場所で思いっきり背伸びして固まった体をほぐした。
一通り体をほぐすとふぅ、と一つ息をついて改めて降り立った街並みを眺める。
綺麗……イタリアとは違う綺麗さだね。
荷物はさっき電話でディーノが用意してくれたって教えてくれたから大丈夫。
ディーノも本当に過保護なんだから……
電話越しでもすごく心配してたのがわかったから、思わず苦笑しかでなかったよ。
兎に角ここについたなら、一番最初に挨拶するのはリボーンだよね!
それに……沢田綱吉くんにも。
いい人だといいんだけどなぁ……
まだ知らぬ十代目候補のイメージを膨らませつつ、またまたディーノが用意していてくれた車に乗り込んだ。
- 2 -
*前次#
ページ:
back
ALICE+