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「おはよう!恭弥」

「おはよう」



いつもと変わらない朝。ニコッと笑う美瑠に微笑み返す。
でもなんか、ちょっと美瑠の雰囲気違うような……

微かに違うだけだから、気を付けないとわからないくらいだけど。

その違いに固まっていた僕に美瑠は不思議そうに首を傾げた。



「どうしたの?恭弥」

「ん?…いや。何でもないよ。じゃ、今日も仕事がんばろっか」

「うんっ!」

「(気のせいだよね…)」



そうだ、気のせいだと言い聞かせてお互い仕事に取り掛かる。
今日も今日とて書類だらけの仕事に、二人で終わらせていく。



「はい、次はこれ」

「ありがとう…、…え?」



今、きらりと光ったもの。あれは確かに指輪。
でも…はまっていたのは僕があげた指輪じゃない。

お祖父様からもらったっていう指輪。
しかも薬指にはまってる……

今まではチェーンに通されて、ネックレスのようにつけていたのに。



「ねぇ、美瑠」

「ん?何?何か不備があった?」

「…その指輪」

「あっ…」



さっと美瑠が手を隠して目線をおろす。

やっぱり…何かあるんだね。
もしかして、何か違和感のある笑顔の理由も、その指輪にあるのかな。



「どうしたの?」

「…これは…」

「もしかして、これと関係あるの?」

「…!それ!!」



美瑠が持っている指輪とそっくりな指輪を美瑠に見せる。
半分に割れたような、変な形をした指輪。

その指輪を見た瞬間、美瑠は驚いたように目を見開いた。

…そう、美瑠はこれがなんなのか、知っているんだね。




「これ、何?」

「それは…ハーフボンゴレリング。恭弥は選ばれたんだよ」



選ばれた?誰に?…ま、どうでもいいけど。

でも、選ばれたという上からの言葉に少しだけいらっとする。
僕は僕の意志で動く。…誰からの指図も受けたくないからね。



「ふぅん…で?美瑠も選ばれたの?」

「…私は、物心ついたときから選ばれていたよ」



月のリングの保持者として……



「そう…なら、僕があげた指輪は?」

「恭弥からもらった指輪はここにあるよ」



チェーンに通された指輪が首元から現れる。

…そこ、やだ。

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