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学校の屋上。
私が、いつもちょっとした時にきている所。
(恭弥がいつも『そんなとこで寝てると風邪引くよ。寝るなら応接室で寝なよ』って言ってくれるんだけど…)
そこで二人が戦っている。
私は、手を出せないからただ見ているだけ。
「学校の屋上とは懐かしいな。好きな場所だぜ」
「だったらずっとここにいさせてあげるよ。――はいつくばらせてね」
恭弥の猛攻撃がディーノに向かう。
ディーノ…本気出してない。
さっきから一度も恭弥に手を出してないもの。
「その歳にしちゃ上出来だぜ」
「何言ってんの?手加減してんだよ」
恭弥のトンファーがディーノにかする。
ぱらりと金髪が切れて、重力に従って落ちていった。
その様子に、二人にわからないように小さく笑う。
ディーノ…本気を出さないとやられるよ?
恭弥は普通の中学生より少し強い、ってレベルじゃない。
ディーノが思っているほど、恭弥は弱くないから。
「(こいつ…末恐ろしいガキだぜ)」
「ほーう…さすが美瑠お嬢が認める男だな」
「ありがとう」
だからこそツナのファミリーには絶対に必要。
手を出すまいと思っていたが……
「しょーがねぇ」
ディーノが再び動き出す。今度は、先ほどと違ってディーノが攻撃を仕掛けていた。
ビュッとディーノの鞭が恭弥の横をかすめる。
…一瞬、恭弥がよけたのかと思った。
でも違う。
さすがディーノ…場数が違うね。
「甘いね。死になよ」
恭弥もはずしたのだと、思ったんだ。
トンファーを振り上げた瞬間、ディーノの鞭がトンファーに絡んだ。
ディーノはわざと外して…後ろから絡むように仕組んでた。
これじゃあ恭弥は身動き取れない。
接近戦を得意とする恭弥。ディーノの方が鞭というリーチがある分、有利な部分もある。
恭弥もまさか後ろから鞭が絡むとは思ってなかったらしく、驚きで目を見開いていた。
そんな恭弥の反応を見て、ニッと笑みを浮かべた。
「お前はまだ井の中の蛙だ。
こんなレベルで満足してもらっちゃ困る。
―――もっと強くなってもらうぜ恭弥」
美瑠のために、ツナのためにな。
「やだ」
「なっ」
「え…」
ディーノの言葉に即答「やだ」に思わずみんなあっけにとられる。
その間に恭弥はもう一方の腕でディーノを殴りつけていた。
恭弥…やだって…ディーノのおかげで強くなるのがよほど嫌なんだね。
恭弥らしいって言ったら恭弥らしいなぁ…と小さく笑う。
「てってめーなあ!」
「(直撃をさけた…?)」
「(――さてこのじゃじゃ馬…どーやって手懐けようか)」
たらり、と頭から垂れてくる血。
でも、それ以上にわくわくが止まらないようで、ディーノは不敵な笑みを浮かべていた。
その様子に、この二人はずっと戦い続けるんだろうなぁ、とその戦いを見守ることにした。
…と、同時に感じる懐かしい気配。その人も楽しそうな笑みを浮かべていた。
「フフ…それでいい。お前達はどんどん戦え」
「お久しぶりです。家光さん」
「…さすが美瑠だな。オレの気配に気づいたか」
ニコッと笑いながら家光さんの後ろに立つ。
どこからどう見ても工事現場で働いているおじさん。
でも、身のこなし方は堅気のものじゃないことが明白。
久しぶりに会ったけど…相変わらずで嬉しいな。
「ちゃんと気配消さなきゃ、恭弥達に殺されちゃいますよ?」
「そうだな、気をつける。…美瑠、お前にたのみてーことがあって来た」
「…?頼みたいこと、ですか?」
「話は、イタリアに行ってからだ」
「…!!」
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