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「よう、恭弥」
学校の屋上。
まだオレらはここで戦ってる。
ぴんとした緊張感の中、トンファーを構えて攻撃のタイミングを図っている恭弥。
ったく…今日こそは聞いてもらわねーとオレが困る。
美瑠が早く恭弥に言えってうるさいんだぜ?
「今日は戦う前に指輪の話をしてぇ。騙してるみてーでスッキリしねぇからな」
「いいよ。興味ないから。あなたをグチャグチャにすること以外。
それに美瑠に会いたいんだけど。この間から全然会えないし、話してないし」
あなたといるくらいなら、美瑠といたい。
もしかして、戦いの邪魔にならないように来ないだけなの?
なら、さっさとあなたをぐちゃぐちゃにしないとね。
そう言葉を続ける恭弥にどんだけ美瑠が好きなんだと呆れる。
「ったく。困った奴だぜ」
「ねぇ。真剣にやってくれないと、この指輪捨てるよ?」
俺の態度が気に入らなかったのか、恭弥が取り出したのは雲のリング。
世界に一つしかない、ボンゴレの至宝。
それを簡単に「捨てる」なんて言いやがって…!
しかも、こいつならやりかねない!
「なっまて!のやろ〜〜っ」
気位が高いっつーか戦闘マニアっつーか……
『ちょっと短気かな。群れてる人たちがいるとすぐに咬み殺すとか言うし』
あー…そーいや、美瑠もそう言ってたな。
やれやれ、仕方ないな。このワガママを納得させるには、これしかないか。
「わーったよ。じゃあ交換条件だ。
真剣勝負でオレが勝ったらおまえにはツナのファミリーの一角を担ってもらうぜ」
「…美瑠もいるんだよね?一緒じゃないと僕嫌だよ」
「お前、どんだけ美瑠が好きなんだよ…」
「表せないほどだね」
「(ベタ惚れじゃねーか)」
すげー愛されてんだな、美瑠。
でも鈍感な美瑠が少しくらいわかってくれてるといいけどな。
今までいろんな男が美瑠に求婚してきたが、持ち前の鈍感さで無意識のうちに沈没させてきたんだ。
「好きって本音いわねーと美瑠には伝わんねーぞ?」
「心配しなくていいよ。いつも言ってるから」
「…まじで?お前意外と積極的だったんだな…」
「積極的じゃなくて本音を言ってるだけだけど」
それが何、と言わんばかりの態度。
あー…これはまじでバカップルだな。
リボーンが言ったときは信じられなかったけど…本物だ。
美瑠…がんばれよ。
その手を離さないように……
トンファーを握る力を込めた恭弥を見かねてディーノも鞭を構える。
そして一歩踏み出そうとしたが……
緑たなびく〜並盛の〜♪
大なく〜小なく〜並が〜いい〜♪
「…は?」
思わず気の抜けた声が出てしまった。
何だ?今の歌…すっげぇ平和そうな……
この緊張感に相応しくない、のんきな歌で、体の力が抜けてしまいそうだ。
一体どこから、とあたりを見回しているとおもむろに恭弥が携帯を取り出した。
―――ピッ
「もしもし」
「(恭弥の着うた――!?)」
しょ、衝撃的だぜ…!
あれが恭弥の着うたなんて似合わねーどころじゃねぇな…!
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