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「久しぶりに帰れた…」



久しぶりの日本にある自分の家。
スーツケースをリビングに置いて、おろしていた髪を素早くまとめる。

イタリアに行って、すぐに帰ってきたからちょっと疲れたかも。

お風呂に入って……そう思った瞬間に私の携帯が鳴り響く。
机の上に置いていた携帯を手をとり、急いで通話ボタンを押した。

(前に恭弥が『これにしなよ』って並中の校歌にされたときは本当にビックリした…)
(恭弥には悪いけどすぐに元に戻したよ)



「はい!」

『久しぶりだな、美瑠』

「…!リボーン!どうしたの?」

『ヴァリアーが来た。雷の守護者が狙われてる』



リボーンの短く硬い言葉に、緊張感が走る。

ついにヴァリアーが……、…ボンゴレの雷の守護者ってたしか…!!



「今から行く!」



その一言で、疲れなんて一瞬で飛んだ。


早く行かないと危ない……
きっとヴァリアーの方の雷の守護者はあの人。

ぶつかり合えば、怪我だけじゃすまないはず…!


大切な人たちが傷つくのが怖くて、全速力で走っていくと人影が見えてくる。

あれは…ランボとイーピンとフゥ太!?
それに、襲っているのは…やっぱりレヴィの部隊…!

間に入るには距離がありすぎる。止めるならこれしかないっ!


―――パァァン!!



「こんばんは。その子たちに手をあげるなら私が相手するよ?」

「美瑠姉!」

「美瑠様…!?どうしてここに…」

「ここで手をひいて。そうすれば無駄な戦いをしなくて済むから」

「…命令ですので、ひけません!」



真っ直ぐな瞳で「命令だから」と断るのはいっそ清々しい。

まったく…!レヴィの部下らしくすごく真面目だね!
これはもう応戦するしかない、と銃を構えるがすぐにやめた。


だって、必要がなくなったから。

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