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「家光…!」
「て…てめー何しに」
スクアーロが家光さんに剣を向ける。
スクアーロ…それはしちゃいけないことだよ。
ボンゴレファミリーならね……
「XANXUS、お前の部下は門外顧問であるこのオレに剣を向けるのか」
ザンザスと家光さんがお互いに殺気交じりににらみ合う。
さすが……すごい殺気……私も少し、押されてる……
もちろん、殺気に慣れていないみんなもこの殺気に体を震わせていた。
「な…!この二人…なんて殺気だ!」
「と、父さん…?何言ってんの…?」
「今さら口出すんじゃねーぞ家光!逃げ回るしか能のない腰抜けが!!」
違うよ。家光さんは逃げ回ってたんじゃない!
そう言い返そうとする前に家光さんを一番慕っているバジルがキッと睨みつける。
「何を!」
「待てバジル。…オレは逃げていたんじゃない。
9代目からの回答を待っていたのだ。
オレは近頃のお前達のやり方とそれを容認している9代目に疑問を持ってな。
9代目に異議申し立ての質問状を送っていた。そしてその回答ととれる勅命が、今届いた」
「……!」
9代目の勅命…?
どうしてここで勅命が出てくるの…?
ただの回答であれば、勅命とまではいかないはず。
まさか9代目……!それに、勅命が3つあるということは……
予想される事態に不安がよぎっていると事態を全く呑み込めていないツナが首を盛大に傾げていた。
「何の話かさっぱりわかんないよ〜っつーかなんで父さんが…!?」
「門外顧問。これが家光のボンゴレでの役職だ」
ボンゴレであってボンゴレではないもの。
平常時には部外者でありながらファミリーの非常時において、ボスに次ぐ権限を発動できる実質No.2。
そんな偉い地位にいる人だとは思わなかったようで、ツナはすごく驚いていた。
そして、門外顧問は後継者選びにおいてボスと対等の決定権を持ってる。
つまりボンゴレリングの半分であるハーフボンゴレリングを後継者に授けられる権限を……
「ボンゴレリングの半分って…」
「言わなかったか?7種類あるハーフボンゴレリングはそれだけではただのカケラにすぎねーんだ。
対となる2つがそろってはじめて後継者の証であるボンゴレリングになるんだぞ。
…美瑠の『月のリング』は、美瑠一人のもんだから関係ねーけどな」
「私しか、天秤はいないからね」
少しだけ苦しそうに笑うとツナにも伝わったようで、少しだけツナの眉が下がった。
…ごめんね、そんな顔をさせるつもりはなかったんだけど……
「逆に言えば2つ揃わなければ後継者にはなれねーんだ。
ボスと門外顧問が別々の後継者を選ぶなんてめったにあることじゃないけどな」
「沢田殿、これが9代目からの勅命です」
「…?ちょくめい…?」
勅命の意味がまだピンときていないようで、ツナはすんなりとバジルから一つの筒を受け取る。
もう一つはやはり私にだったようで、「美瑠殿にです」ともう一つの筒を手渡された。
やっぱり私に、だったんだね……
ゆっくりと紐をとくと、勅命の印である死炎印が燃え上がった。
「死ぬ気の炎!?」
「それは9代目の死炎印。まちがいない、本物の勅命だね」
「わっイタリア語で書いてある。よ、読めないよ…」
「…………っ」
いや…うそ……
9代目……いえ、お祖父様……
私に、選べと、おっしゃるのですか?
そんなの…選択肢なんて、ないのに……
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