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「美瑠、私の息子のXANXUSだ」
初めてあったとき、オレは声も出なかった。
立っているだけでにじみ出る優しい雰囲気。
最初はキョトンとしていたがすぐに向けられる笑顔。
オレは、一瞬で恋に落ちた。
(こんなこと、いうような柄じゃねぇけどな)
「初めまして!美瑠です」
「…XANXUSだ」
ニコっと笑う美瑠はオレの持っていないものを持っていた。
笑顔を見るたびに、惹かれていった。
「お祖父様に息子がいたなんて知らなかった!」
「言ってなかったかい?」
「うんっ!ビックリしたよ!こんなかっこいい人が息子だって」
「(カッコイイって言われた…っ)」
「ははっ!相変わらず、美瑠は口上手だな」
「口上手じゃなくて本当のことだよー?」
「そうか…お腹減っただろう。XANXUS、一緒に食べるか?」
「…ああ」
いつもなら一緒に食べるなんて冗談じゃねぇって思う。
珍しく肯定した俺にじじいは軽く目を見開いたが、何もかもわかったように笑ったから少しだけ腹立たしかった。
でも、美瑠も一緒に食べるなら……
もっと、美瑠のことが知りたかった。
もっと、美瑠の笑顔が見たかったから。
「今日ね!お友達ができたんだよっ」
「そうか。どんな子だい?」
「んーっとね…すごくいい人!一緒に話して、すごく楽しいの!」
ふふふ、と秘密がとても嬉しいとばかりに笑う美瑠。
その笑顔にじじいはくしゃりと相好を崩した。
「一度、会ってみたいね」
「うんっ!」
オレに笑いかけたわけじゃないのに、こんなにもドキッとする。
(オレにも笑いかけてほしい、なんて)
(言えるわけねぇ……)
「XANXUSともお友達になれたらいいなっ!」
「…え……」
今、オレの名前を呼んだか…?
(それだけでも、嬉しいなんて)
そっと美瑠の方に視線を向けると、眩しいほどの笑みを浮かべて俺を見つめていた。
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