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大雨が私を濡らす。

私の気持ちも全部…洗い流してくれればいいのに……




40 雷の守護者




「またレヴィ、2時間も前から?信じらんない」

「君とは違って不器用な男だからね」

「レヴィは…すごいね」

「へー美瑠、そー思うんだ」

「だって、そこまでの忠誠心も持てるなんて…すごいよ」



きっとザンザスの才能に惹かれてるんだろうね。

あとはレヴィの性格。真面目すぎるんだよね。

(ベルも少しだけ見習ったほうがいいよ)



「レヴィ」

「…何だ?」

「余計なお世話だって思うかもしれないけど…無理しないで。ランボを…殺さないで」

「無理はしない。だが、あいつは殺す」

「…っ!!」


それだけ言ってレヴィは私たちに背を向けた。

ランボ…お願いだから、棄権して。
そうすれば私もレヴィを止められる。

お願い…!棄権して…!!

私の心とは裏腹にランボはサーキット内に入った。
そのことに、胸を痛めながら、私は、祈るしかできない。



「それでは雷のリング、レヴィ・ア・タンVSランボ、勝負開始!!」



勝負は始まるがランボは遊びと勘違いしているらしく戦いは始まらない。

でも相手は仕事の速さはヴァリアー一のレヴィ。
ずっと…こんな状態が続くはずない。

子どもの…たった、五歳のランボじゃ、勝てない…!
心配で、不安で、怖くて……それでも見つめていると雷が避雷針に伝わる。

レヴィは避けたけどランボは雷をまともに受けちゃった…っ



「ランボぉ!!」

「…念のため生存の確認を」

「その必要はない…焼けた」

「う…っ」


ランボの無残な姿に目をそらしていたが、ランボの声が聞こえたからはっとして顔をあげる。

…!今、ランボが声をあげた…!!


うわああん!と大泣きしてランボが顔を上げる。
痛い、と言っているけど、泣いている姿は元気そう。



「無事だ!!生きてる!!」



ツナも安心するのと同時に私も人知れずホッとする。

ランボは、幼少の頃繰り返し雷撃をうけることでまれに起こる体質変異、電撃皮膚(エレットゥリコ・クオイオ)らしい。
ちなみに電撃皮膚とは電気を通しやすい皮膚のこと。
電撃をくらっても体の表面を通過して地面へ抜けるため、脳や内蔵へのダメージがほとんどないらしい。

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