1



私は、ヴァリアー側の人間。

そう言い聞かせても、目の前で殺されるのを、黙ってみてられないよ……




41 どうしても優しさを見せてしまう




大きな炎が額から燃え上がった。もちろんそれは…死ぬ気の炎。



「だ…誰だ?」

「まさか…ツナ…?」

「ああ…まちがいねぇ…あれは10代目だ!!」



隼人は嬉しそうに確信もった声で断言する。
パワーアップしたツナにぞくぞくしているようで、隼人は身震いをしていた。

武もお兄さんもあれはツナだと笑う。

どうやら、エレットゥリコ・サーキットの導体は金属でできていて熱を伝達する働きがある。
その熱が避雷針のくびれ部分にまで伝わり、溶解したため重量に耐えきれなくなり倒れたようだった。



「でも聞いてなかったぜスクアーロ。あんなバカでかい炎を出せる奴がいるなんて」

「(俺だって知るか)」


どーなってんだあのガキ…5日前とはまるで別人だ。

何をしやがった……

考えられるのは、門外顧問である家光の仕業か。
それとも、天秤である美瑠か…?

いや…9代目が寵愛し、奴の家庭教師につけたというアルコバレーノかぁ!



「…いくら大事だからって言われても…ボンゴレリングだとか…次期ボスの座とか…そんなもののためにオレは戦えない」

「ツナ…」

「でも…友達が…仲間が傷つくのはイヤなんだ!!!」

「ほざくな」



絶対的な、威厳あるボスの声。

思わず私はその声に怯えて肩を震わせてしまった。
それでも殴られて吹っ飛んでしまったツナに駆け寄る。



「ツナ!大丈夫?」



そっと傷に障らないように体を少し起こしてあげる。

よく見たら…体が傷だらけ…そんなにがんばって修行したんだね。

- 251 -

*前次#


ページ:

back
ALICE+