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「あっ…美瑠ちゃん…」
「怪我、ひどくない?」
「う、うんっ…大丈夫…」
少し戸惑いながら頷いたオレによかった、と少しだけ微笑まれる。
途端にオレの中でホッとした。
美瑠ちゃん、前の美瑠ちゃんと一緒……
(優しい眼差しも、声も、いつもの美瑠ちゃんだ…)
「あれは…!XANXUS!!」
殴った相手であるザンザスを見上げると、ぎろっと睨まれる。
初めてあった時は、怖くて…腰を抜かしてしまったけど……でも、今度は負けない!
そう思いを込めてにらめ返すとザンザスが顔をしかめた。
「…何だ、その目は……
まさかお前、本気でオレを倒して後継者になれると思ってんのか?」
「そんなことは思ってないよ…オレはただ…!
この戦いで、仲間を誰一人失いたくないんだ!!」
「そうか…てめぇ!!」
「XANXUS様いけません!」
チェルベッロ機関の人がすぐにザンザスを止める。
美瑠ちゃんも、そっとオレの前に行った。
ザンザスから守るように…でも、オレ達にそう悟られないようにそっと……
「ここで手をあげられてはリング争奪戦の意味が!!拳をお収めください!!」
「うっせぇ!」
拳をそのままチェルベッロの人に向ける。
その為、集まっていた力がチェルベッロの人に当たってしまった。
「オレはキレちゃいねぇ。むしろ楽しくなってきたぜ」
ザンザスがニッと口の端をあげる。
わ…笑った…!?
笑っただけなのに…なんでこんなにゾッとするんだ…!?
「こいつはレアだ」
「いつから見てないかな。ボスの笑顔」
「8年ぶりだ」
美瑠と一緒にいたときに笑ったのが最後だった…
「やっとわかったぜ。
一時とはいえ、9代目(オヤジ)と美瑠が貴様を選んだわけが…
その腐った戯れ言といい、軟弱な炎といい、おまえと老いぼれはよく似ている」
「え!?」
「ぶは――っ!こいつは悲劇、いや、喜劇が生まれそうだな!!」
な…何がおかしいんだ…?
その笑顔が何故か怖くて、顔を青ざめているとザンザスの視線がふいに美瑠ちゃんに向かう。
ははっと笑うザンザスから、その瞬間、急に笑顔が消える。
「…美瑠、お前そいつを庇ったな?」
ビクッと美瑠ちゃんの肩が震えた。
ふと美瑠ちゃんの手を見ると、赤い液体が見える。
美瑠ちゃんの手から、血が出て…!
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