5
「どうしよう…オレのリングも奪られて一気にフリになっちゃった…」
中学校の帰り道。ランボを病院へ運んで、家に帰っていた。
でも、その足取りは、かなり重い。
「結局ランボも意識を失ったままだしな…」
「しかもこれでXANXUSが本気になったぞ。猛攻をしかけてくるだろーな」
「美瑠ちゃんの決定なんだよね…」
痛いほどの沈黙が降りる。
美瑠ちゃんは裏切ってない。そう思いたいけど……正直、わかんない。
時々見せる、美瑠ちゃんの心配そうな顔。
顔は見えないけど冷たく突き放すような言い方の時。
一体どっちを信じればいいんだろう……
「1勝2敗…次に負けたらもう後がねぇのか…」
「オレ、本当にあの時勝負に割って入ってよかったのかな…」
ランボを助けに入ったのは後悔は、しない。
でも…あの判断がよかったのか、と後悔しそうになる。
落ち込むようなオレにリボーンははっきりと言い切った。
「よかったぞ」
いくら美瑠が割って入ったからって……
「部下を見捨てるようなボスはボンゴレにはいらねーんだ」
「リボーン…、リボーン、オレ…――もっと強くなりたい」
美瑠ちゃん、よくわかんないけどすごく辛そうな顔してた。
そんな顔、美瑠ちゃんには似合わない。
だから少しでもその辛さを和らげたいんだ!
「第3段階の修行は更に厳しいぞ」
「うん」
覚悟してるよ。
守れるんだったら…守りたいから!
「(覚悟が決まったみてーだな)」
ツナの目が少し変わってきてる。
強い意志をもった目をするようになった。
これなら、聞いてみるのもいいかもな。
「美瑠が裏切ったと、思ってるか?」
リボーンの言葉が突き刺さる。正直言ってドキッとした。
裏切っただなんて思ってない…!でも…っ
「オレは、そー思えねぇんだわ」
「山本…」
いつものような笑顔じゃないけど笑ってる。
何かを信じてるような…そんな芯のある笑顔。
「だってあの美瑠だぜ?
危険なあのオッサンの攻撃をわってまでランボを助けたし。
なーんか美瑠の意志じゃねー気がすんだよな」
「むかつきますけどオレもこいつと同じ意見っス!
美瑠はそんな簡単に裏切るような奴じゃありません!!」
「リボーン、オレも美瑠ちゃんのこと信じてるよ…!」
「…そーか」
美瑠が何を隠してあっちにいるのかしんねぇが…こいつらはお前を信じてる。
だから、帰ってきてもいいんじゃねぇのか?
また、ちゃんと笑えるように……、…美瑠―――
- 255 -
*前次#
ページ:
back
ALICE+