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勝負は圧倒的にベルが優勢だった。

天才故にわかること。隼人より踏んだ場数が違いすぎるよ…!

気流を読んで、ナイフをそっと添える。
それは天才のベルだからできることなの?



「スキのない、流れるようなナイフさばきで相手の一切の攻撃を封じる」

「この風の中でこんなことができるのはベルぐらいだよ」



ベルしかできないことなの?私は、そうは思えない。

(心のどこかで、隼人でもできるような気がするから)



「怒濤の攻めのシメは針千本のサボテンにしてやるよ」



ベルの鋭利なナイフが大量に出てくる。

どうしよう…!
あれがまともに刺さったら、隼人が死んじゃう…!!



「バイバイ」

「隼人!!」



すべてのナイフが何かに突き刺さる。
最初は隼人に当たったと思ったけど、ふと、違和感を感じてもう一度よく考える。

刺さった時のあの音…人間に突き刺さるような音じゃ……



「うししし、サボテン一丁あがり」



バリンとガラスを割って隼人の体が廊下にでる。

いや、隼人の体じゃない。
あれは…――学校なら必ずある、人体模型。

よかった…やっぱり、あの音は人形に当たる音だったんだ。
そう安心していると、何故かずるっと人体模型が動く。



「よく見てみろ。首に何かからまってるぞ」

「これがてめーの技の正体だ」



もちあげたのは、細くて鋭利なワイヤー。

隼人の説明によると勝負の前の肩をたたいた時に、重量を感じないよう局部麻酔まで打って、視認しにくいワイヤーを肩にとりつけたんだって。
そしてワイヤーをたぐりよせそこにナイフの突起をひっかけて投げる。
レールの上を滑るようにワイヤーにそって飛んでくるって仕掛けだったらしい。

そっか…だからナイフが隼人に吸い込まれるように飛んだんだ。
さすが、頭のいい隼人。すぐに見破ることができた。



「がんばってるけど50点ってとこかな。
つか、お前こんなもんで得意になるのもいいけどさ。
この風じゃなんもできないじゃん。なぁどーする?」


もっと、オレを楽しませてよ。

そうベルが口の端をあげると隼人がボムを構えた。



「当たんないから」

「果てろ!!!」




ボムがベルに向かって投げられる。

でも風が吹きあれて、このままだとベルには当たらない!



「頭悪くて口あんぐり」


ホント、期待はずれ。


「(行け!!!!)」




そのままのボムかと思っていれば、ボムから噴射し、風関係なくベルに向かって飛んでいく。
すごい、ボムを直線型に飛ぶようにしたの!?



「オレが下手うって10代目に恥じかかすわけにはかねーんだよ」

「ベル!!」



避けて、という気持ちを込めて彼の名前を呼んだが、その思いもむなしく、ボムはすべてベルに命中する。

ベルに隼人のボムが直撃しちゃった…!!
何でよけなかったのよ…っ無理しないでって言ったのに…!



「まさかこれも…新技…!?」

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