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「僕の学校で何してんの?」



―――ド ク ン ッ !


この声は……逢いたくて、でも逢いたくなかった人…っ!!

(それでも、胸がドキドキするの)



「ヒバリさん!!ヒバリさん…来てくれたんだ。
本当にリング争奪戦に加わってくれるんだ…あの最強のヒバリさんが…!!」

「校内への不法侵入及び校舎の破損。
連帯責任でここにいる全員咬み殺すから。……美瑠?」



名前を呼べば、ビクッと美瑠の肩が震える。

間違いない…背を向けてるけど僕が見間違えるはずない。美瑠だ……
よかった。あの家庭教師のせいでずっと美瑠に会うことができなかったんだ。



「…っ恭弥…」

「美瑠、ここに…」



近づこうとして、まず目に入ったのは…周りにいる奴らと同じ黒い制服。

(並中の、制服じゃない)


何…?その格好。全然似合ってないんだけど。
どうしてそんな服着てるの?
なんで、僕の方を向いてくれないの?

一歩踏み出すとロン毛の奴が僕の前に立つ。

…何?こいつ。不愉快なんだけど。



「美瑠に近づくんじゃねぇ!!」

「…僕と美瑠の間に入るなんていい度胸だね」

「う゛お゛ぉい!どーいう関係だぁ?」

「僕は美瑠の彼氏。美瑠は僕の彼女。わかった?」

「!そーかぁ。お前があの……
ならもっと通せねぇなぁ!!美瑠はXANXUSと、」

「スクアーロやめて!!」



美瑠が慌てたように顔をあげて、あいつの言葉を遮ろうとする。
でも、あいつの言葉を止めることはできなかった。



「結婚するんだからなぁ!!」

「…っ!?」


けっ、こ、ん…?どういう…こ、と…?

(言葉が、理解できない)
(頭が真っ白になる、感覚)



「…っ(知られたく、なかった…恭弥にだけは知られたくなかった…っ)」



唇をかみしめて、何も言わない美瑠。
小動物が「美瑠がXANXUSと結婚−!?」と騒いでいたが、耳に入ってこなかった。

ねぇ、何かいってよ。嘘だって、言ってよ。
違うよって。冗談だよって言ってよ…!



「美瑠、今の話、本当?」

「…恭弥っ…、…ごめんね」

「…っ!」



ごめん。その一言に一体どんな気持ちが込められていたんだろう。

嘘だ…なんで、謝るの…?
僕のこと、好きじゃなくなったから“ごめん”なの?
XANXUSとかいう奴を、好きになったから“ごめん”なの?

それなら、僕の目を見て、嫌いだって言ってみなよ…!



「美瑠っ!」

「う゛お゛ぉい!!貴様、何枚におろしてほしい!!」



美瑠に近寄ろうとしたとたん、ロン毛の男が僕と美瑠の間に入る。
…いや、美瑠を庇うように、僕の前に立った。

誰君。僕と美瑠の邪魔をするな。



「どきなよ。咬み殺すよ」

「おやめください。守護者同士の場外での乱闘は失格となります」

「まーまー落ち着けってヒバリ。怒んのもわかっけどさ。美瑠もなんか事情があるんだって」

「邪魔だよ。僕の前には、立たないでくれる」



トンファーをふりさげると山本武がかわしてトンファーまでとめる。
まるで、水の流れのように…自然に。

…へぇ。何これ。今までにない動きだ。

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