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「…だが…これ以上時雨蒼燕流に頼るのは危険だ」

「う゛お゛ぉい!!図に乗るなあ!!!ヒヨッ子がぁっ!!!」


…!ふさがれた!!これじゃあ武は避けられない!
真っ正面からスクアーロの攻撃を受けることになるっ!

危険すぎるよ!!



「切る!!!」



武が水の壁を作る。あれは…?



「時雨蒼燕流、守式 弐の型」


逆巻く雨



水の壁で姿をくらました上に身を縮めて防御したみたい。

これなら…大丈夫。大丈夫だよ!
私が安心したように、ツナも互角だと安心したようで「やっぱりすごいよ!」と嬉しそうに言う。
でも、ディーノの顔色は先ほどよりも冴えない。



「だといいんだけどな…スクアーロが…笑っている様に見える…」



確かにスクアーロの表情…強い相手に出会えたときの嬉しそうな顔とは違う。
余裕というか…何かを、知っているよう……



「う゛お゛ぉい小僧!!なぜ防御の後打ちこんでこなかった!!
愚かなアホがぁ!オレに唯一傷をつけることができた最後のチャンスを潰したんだぞぉ!!」

「最後のチャンス…!?」

「ししし」

「どうやらスクアーロは確信したみたいだね」


確信…?どういうこと?


「ハハ…最後って…ずいぶん言ってくれるな。
言っとくけど時雨蒼燕流はこれだけじゃないんだぜ」



時雨蒼燕流は守型四式、攻型四式の状況に応じた八つの型が存在する。
出したのはまだ二つ…あと六つは知らないはず。

…知らない…?待って、スクアーロ、確か、確信したって……

そう嫌な予想が立ったと同時に武が初めて前に出る。

速い…!!スクアーロが剣を止めようとしたけど……武の手に、刀が…ない。



「時雨蒼燕流 攻式 五の型」



五月雨



スクアーロが、斬られた!?
ううん…でも一瞬身を引いたような……

五月雨は、一太刀のうちに刀の持ち手を入れ替え軌道とタイミングをずらす変幻自在の斬撃。
素直じゃない隼人がまーまーと言っているが、本音はすごい、と認めているだろう。



「めでたい連中だな」

「うむ…ヴァリアーのボス候補になるということがどれほどかわかってないね」

「う゛お゛ぉい!!効かねぇぞ」



よかった…スクアーロ、怪我してない。
みんなはスクアーロが切られたと思っていたからビックリしてる。

みんなには切られたように見えて、どうして切られていないのか。
そのネタ明かしは簡単だ。一瞬で、武の刀の軌道に合わせて一瞬身をひいたから。
そんなこと、いくらスクアーロが剣において天才だと言っても、反射だけではできることじゃない。



「奴に動きを読まれていたとしか考えらんねーな」

「しかし拙者の見る限り山本殿が持ち手を替えるためのモーションの不自然さは見あたりませんでしたよ」

「う゛お゛ぉい!お前の使う無敵の流派とやらはこんなものかぁ!?」



ニッと余裕そうに笑みをこぼすスクアーロに嫌な予感しかしない。

…色々な達人と戦ってきたスクアーロのことだ。
反射レベルの避け方でないとすれば、可能性はただ一つ。

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