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「う゛お゛ぉい!!ガキ…正直ここまでやるとは思ってなかったぞ。
だからこそその峰打ちは解せねぇ。真剣勝負をナメやがって」



ぐいっと口から出る血をぬぐう。

武は守ろうとしてるんだ。自分の命も…そして、スクアーロの命も。
その気持ちは戦いを始める前と変わらない。

その事実が無性に嬉しかった。



「それともまたオレの知る型と違う型があるのか?」

「ん…?ハハハ。残念ながら一から七の型はあんたが知ってる型と同じだぜ」

「やはり死ぬしかねぇようだな!!一度喰らった篠突く雨はすでに見切った!!!」

「さすがだぜ。そうこなくっちゃな。んじゃいってみっか。時雨蒼燕流 九の型」



九代目だから……
つまり武が作った技ってこと…!?新しい自分だけの型…!
その事実にぶるり、と身震いする。
不謹慎だとわかってはいたけど、武が成長する姿をこの目で見ることができるなんてわくわくする…!



「山本の奴、新たな自分の型を放つ気だぞ」

「なるほど。常に流派を超えようとする流派……
もしそれができるのならば、確かに時雨蒼燕流は完全無欠最強無敵!!!」



できるかどうかわからないけど、挑戦する。
すっと構えたその姿は武がよくしているもの。

もちろん、その構えは刀の型らしくない。



「何だぁそのふざけた構えは。野球でもするつもりか!?」

「あいにく野球(こいつ)しかとりえがないんでね」


「この一撃でケリがつくな」

「ああ…」

「で…でもあの竹刀!!時雨蒼燕流でなくちゃ使えないんじゃ!?」

「だからこそ山本の父は山本にあれを持たせたんだ。
あの竹刀を変形させることができなければ山本に最強の剣術を継ぐ資格がないということだ」

「え!?そんな危険な賭け…!!」



確かに危険すぎる賭だよ…でもきっと、刀は応えてくれる。

武なら継承者として認められると思うの。



「図に乗るなよガキ!!オレの剣の真の力を思い知れ!!!」



水が抉られてるみたい…!これがスクアーロの本気…!?

―――鮫特攻(スコントロ・ディ・スクアーロ)
剣帝を倒したスクアーロの奥義…!



「死ねぇ!!」

「いくぜ!時雨蒼燕流 攻式 九の型」



武がかわすけど…スクアーロもかわす。
武が押されてる…!!
やっぱり新しい型を生み出すなんてできないの…!?



「とどめだぁ」


大きく進むが…気配が後ろに移ったことを感じ取る。
…!!逆!!?ここまでやるとはな―――

だがオレの剣に、


「死角はない!!」

「義手!?」


モニターに映る義手にみんなが驚きの声をあげる。

嘘…!?スクアーロ、義手だったの…!?

その驚きは一瞬で、二人の動きから目を離すことができない。
スクアーロが切った瞬間に、バシャリと大量の水がスクアーロにかかる。
スクアーロが切ったのは、武じゃない。切ったのは……



「水面に映った影か」



気づいたときは遅かった。
武はすでにスクアーロの横に。


―――うつし雨



「(これが…敗北……)」



首に当たる衝撃。
スクアーロから力が抜けて倒れていくのがわかる。


「勝ったぜ」



完璧に出来たボンゴレリング。

武が…スクアーロに勝った…!



「ぶったまげ」

「まさかこんな事がね…」

「……スクアーロ…ざまぁねぇ!!負けやがった!!!カスが!!!」

「XANXUS…負けたけどスクアーロはがんばったよ」

「用済みだ」



すっと手をあげるザンザス。

まさか…本当に、スクアーロに、とどめをさすつもりなの…!?

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