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「ボスが直接手をくださなくとも」

「僕がやってこよーか?」

「やめて!!そんなこと、する必要ないよ!」



そんなことさせない。
私の大切な友達なんだから…!!

そうみんなを止めると、チェルベッロも中に入ることを止める。
最初のルール説明の時に言っていたように、規定水深に達したため獰猛な海洋生物が放たれてしまったから。

決着がついたのに、それじゃあ二人の命が危ない…!



「どいてっ!」

「美瑠様!!危険ですので中には…!」

「放して!スクアーロと武を助けなきゃ…!!」

「美瑠、やめろ」

「…っ!XANXUS、私は友達を見捨てられない…!!」

「あいつは負けたんだ」

「勝ち負けなんて関係ない!!」

「よっ」

「!武…」



怪我してるのにスクアーロの肩を…助けて、くれるの?
ヴァリアーのみんなは「何だよあいつ」と怪訝そうな顔をしていたけど、武は当然のように「普通助けね?」と言ってくれた。

武が諦めてないんだもの…外で見てる安全な私が諦めるわけにはいかない。
それに、私が行けば、二人とも確実に助けられる…!



「その体ではスクアーロをかついでいくのはムリです!」

「私が行く!そこでじっとしてて!!」

「美瑠!?」



後ろでみんなの止める声がする。
戻ってこい、危ないから行くな、そう心配する声。

でも私はとまらないよ。

チェルベッロの人達にあらかじめ聞いていた道を急いで行く。


お願い…誰も、死なないで。二人とも助けたいから…っ!



「スクアーロ!武!!」

「ガキ…剣のスジは悪くねぇ。あとはその甘さを捨てることだぁ」

「っ!スクアーロ!!」



部屋に入れば…スクアーロが一人、鮫の囮になっていた。

海洋生物がスクアーロの血に引き寄せられている…っ!

やだっ!やめて…っ!



「美瑠…お前は、自分の気持ちを偽るな」


笑顔が、一番似合ってる。
お前の笑顔が大切で、ずっと守りたいと思っていた。

オレは多分…初めて会ったときから……―――



「…っ!!スク…ッ」



最後に、笑ってた。

すごく優しい笑顔だった。


その笑顔が、飲み込まれる。




「スクアーロ――――ッッ!!!」




いつも口が悪くて。

男の人なのに髪が長くて、なのに私より綺麗で。
天然だから言いたいことは少しだけずれているような人だった。

でも……いつも優しくて、ストレートで、私に元気をくれた。

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