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「いってきます」


「美瑠様、こちらに」

「…わかりました。髑髏、怪我しないようにね」



軽く抱き締めると、髑髏がこくりと頷いたのがわかった。


怪我しないで。無理しないで。…死なないで……
そう気持ちをこめてぎゅっとしてから体を離す。

今回の戦闘フィールドは体育館全てで館内の物は何を使ってもかまわないことになっている。
そして、今までとは違うのは…このフィールドには特殊装置は用意されていないことだった。
これまで凝ったフィールドを用意していたけど、今回は霧の戦い。必要ないのだ。
何故なら、無いものを在るものとし、在るものを無いものとすることで敵を惑わし、ファミリーの実体をつかませない、まやかしの幻影。

―――それが霧の守護者の使命だから。




「それでは霧の対戦、マーモンVSクローム髑髏。バトル開始!!!」




髑髏が骸のトライデントで地面をトンっと叩く。
それだけで地面がすべて崩れていった。…そう、見えるだけなのだろうけど。

さすが、髑髏だね。ほとんどの人が幻術にかかってる。



「ひいいい!!うわあああ!!」

「バカツナめ。お前はこの技を知ってるぞ」



崩れていく中、マーモンは瓦礫を伝って髑髏に近づく。

もちろん、マーモンには幻影は見てない。



「やはり僕と同じ術士か。でもこんな子供だましじゃ僕から金は…とれないよ」



美瑠もあいつらもかからない幻術じゃね。


触手のようなものが髑髏の首をしめる。それと同時に消える幻覚。
あるのは、元に戻った地面と首を絞められている髑髏。

あれは…本当に髑髏?



「弱すぎるね。見せ物にもなりゃしない」

「誰に話してるの?」



コツリとブーツ音がなる。
こっち…という髑髏の声で、さっきまで髑髏だったものはバスケットボールに変わっていた。

うん。よくできてるよ、髑髏。

互いに譲ることなく幻をつくりだす。息をもつかせぬ騙し合い。
滅多に見られないこのすごい戦いにみんなも驚いている。



「…幻覚って…たしか前にも…、…!!骸の地獄道!!」

「10代目!!やっぱりあいつは骸なんスよ!」

「え…!?」


そんなはずは……
それにもし骸だったとして一体どーいうつもりなんだよ…!?
何しに来たんだよ…!?

(美瑠ちゃんがいるから、かな…?)



「よかったよ。ある程度の相手で。
これで思う存分アレを使える。あのマヌケチビ二匹の前でね」



マーモンの言葉と共に重鎮が音を立てて落ちる。
コートに隠れて見えなかったおしゃぶりが、姿を現した。

――――アルコバレーノである証拠、七色のおしゃぶり。



「ファンタズマいこう」



言葉とともに頭に乗っていたカエルが殻を破るように形を変えていく。
そして輪っかのような形になると、マーモンが宙に浮いた。
その姿とおしゃぶりを見て、リボーンとコロネロが確信する。

すると2人のおしゃぶりも光り始めた。

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