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「君はすでに僕の幻覚世界の住人なのだからね」



バイパーがクルっと手をまわしただけで髑髏の体が投げられる。

まずいよ…っこのままじゃ…!
投げ出された髑髏がすぐに起きあがり、トライデントを大切そうに抱える。

あれは髑髏にとって、命も同然。何より、骸が髑髏に預けた物……



「ムム。どうやらその武器は相当大事なもののようだね」



その言葉に、髑髏は守るようにダメ、と呟く。
でもマーモンは容赦なく、手の中のものをつぶすように手を握る。

ダメ!それを壊されたら…!!



「ダメ――ッ!!!」



パァァァンと音を立てて骸の剣が壊れる。髑髏の言葉も無視して……

まずい!!アレは力を保つものだったのに!!

「髑髏!!」と彼女の名前を思わず呼んだが、バタリと髑髏が倒れる。

力が足りなかったの…!?
ううん、違う…兎に角、力をあげなきゃ…!

そう思い、急いで髑髏まで走った。

でも、遅かったみたいで、徐々に髑髏のお腹が、陥没していく。



「これも幻覚〜〜」

「ムム…これは現実だ。どーなっている?何だ、この女…」

「髑髏!!」



っ!骸の幻影が解けている…!これじゃ力をあげても…っ
ううん、一か八かでもいい。それでも、しなきゃ…!

髑髏がうわごとのように骸、様と呟く。



「にわかに信じがたいが彼女は幻覚でできた内臓で延命していたらしいね…」

「それで幻覚のコントロールを失い腹がつぶれたんだな」

「じゃ…じゃあ本当にあの娘内臓がないの!?」

「…そうだよ…」



髑髏に内蔵は、ない。
ないものをあるものとしていた幻覚だった。
私じゃ幻覚を作ることはできない。

骸…お願い…っ助けてあげて…!!

願うようにぎゅっと髑髏の手を握り締める。



「骸…様……力になりたかった…」



上出来でしたよ、かわいい僕のクローム。



「「(!今…?)」」



君は少し休みなさい。



「なーんだ。フタを開ければマーモンの圧勝かよ。
しかもアルコバレーノの力もちょっとしか見れねーしさ」

「これで全て終わったな」



ううん。終わってないよ、レヴィ。
この感じ…私の中で共鳴するような感じは……

同時に髑髏の体が霧に包まれていく。



「霧が娘を包んでいくぞ!」

「なーに。最後の力をふりしぼって自分の醜い死体を隠そうとする。女術士によくある行動パターンさ」

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