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「ハァ…ハァ…ッ」

「美瑠…無理をして…」

「大…じょうっ夫だから…っ凪…?何か、変な、違和感は、ない…?」

「美瑠様…」



どうしてこの人はこんなに優しいの?
自分は息を切らして、辛そうにしているのに…私の体の心配をしてくれる。

今までこんな人回りにいなかった……



「ふふっ…呼び捨てで、いいんだよ?」

「美瑠様…無理、しないで…」

「私の意見は、無視…?」

「美瑠、すぐに現実に戻ってください。
そうじゃないと美瑠の体にさらに負担がかかります」

「そうだね…じゃあ、先に戻ってるね。
骸と凪…何か、違和感とかがあったら、呼んで…ね…」



すぅっと美瑠様の姿が消えていく。
骸様ははぁっと呆れたようにため息をついた。



「どこまでも僕達の心配ですか…」

「怒って、いるんですか?」

「いや。美瑠らしくて、怒る気にもなりません。
でも…自分の心配をしろ、と怒鳴りそうになりましたね」



クフフ…と骸様がしょうがない、というように笑う。

でも目が今までにないくらい優しい……



「その気持ち、私にもわかります…」



少し目を伏せると頬を何かが滑り落ちる。

何か、なま暖かいもの……



「!凪…どうして泣いてるんです?」

「え……」



泣いて、いる?私が…?
今までどんなことがあっても泣くことなんてなかったのに……

でも、なんとなく理由はわかってる。



「美瑠様の、優しさが…嬉しかった…っ」

「…その気持ちは、痛いほどわかります」



僕の心の氷を唯一溶かしてくれた人。

今まで『優しさ』なんて言葉を知らないくらいだったのに……
美瑠は僕達に対して温かい人で、優しかった。



「今まで…こんなに、優しい言葉をかけてもらったこと、なかった……
いつも、自分のことばかりの人ばかりだった……
でも、美瑠様は自分を犠牲にされてまで私達を助けてくれて…っ」

「えぇ…美瑠は、そういう人です」

「…私、骸様が美瑠様を好きな理由がすごく分かります」

「そうでしょう?」



そっと骸様が私の涙をぬぐってくれる。

優しい接し方……
もし、美瑠様や骸様に会わなかったら私は一生人が嫌いだったかもしれない……



「骸様…私は、美瑠様を守ってあげたいです…」

「なら、力を貸しますよ」


優しい、優しい美瑠様。

私は、あなたを守るために…強くなります。



「(美瑠様に…永遠の守護を、誓います…)」

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