1



私は嘘をつくのがへたなのかな…?

全部、あなたに見透かされているみたいだった……




47 真実の涙か偽りの涙か




骸の試合がおわって…ついに恭弥の出番。

きっと恭弥なら大丈夫。ゴーラ・モスカに負けるはずない。
そう信じている。でも…、…ザンザスは。そして、お祖父さまは。
お祖父さまが「殺す」と言って、それを阻止することができるのか。
ザンザスと戦って…恭弥を、みんなを守ることができるのか。

…確実に守れる自信が、ない。




「美瑠」

「…っ!?」



今の声は…!

(私が、聞きたくて、聞きたかった声)
(あぁ、もう心臓がドキドキしてる)

ゆっくりと振り向けば、愛しい彼の姿。



「きょ…や…」

「僕の命が危ないから結婚するって本当?」

「!どうしてそのこと…!」



ハッとして慌てて口を押さえる。
これじゃ、肯定したのと同じじゃない…!!



「…やっぱり、そうなんだ」

「ちっ違うよ!!これは私の意志!恭弥は関係ない!!」

「(関係、ない…か)」


私の言葉に恭弥が少しだけ顔をゆがめたのがわかった。
…関係ない。きっと、その言葉が、恭弥を傷つけている。
そうわかっていても、そういうことしかできなかった。



「金髪から、聞いた」

「(ディーノ…!どうして言ったの…?)」

「ねぇ、僕がそんなに弱い男に見える?」

「っ!…見えない、よ」

「なら、そいつと結婚するのやめて」

「(そんなこと…っできない!)」



ディーノにも言われた。

守ればいいって。頼ればいいって。
でも…でも恐いんだよ……
大切な友達のスクアーロさえ、私は助けてあげられなかった。

無力な、私が守れるか不安なんだ…っ

だから…嘘つかなきゃ……

- 294 -

*前次#


ページ:

back
ALICE+