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「私は…、…恭弥が嫌いだよ」
「っ!!」
自分で言って自分の心が苦しい。
恭弥が傷ついた顔してる……それだけで、私は泣きそうになった。
「もう、好きじゃないから…っだから、もう…ほっといて!」
「ほっとけるわけない!!」
ぐいっと腕をひっぱられ、顔を向けさせようとさせられたが、俯いたまま恭弥から顔をそむける。
痛…っどうして、どうして止めるの!?
(私は、こんなにも心を切り離して)
(あなたを突き放そうとしているのに)
「は…離して!!」
「嫌だよ。僕のこと嫌いなんでしょ?
だったら今すぐ銃を抜いて僕くらい殺せるよね?」
「…っ」
できるわけない…!!
私は恭弥の事が好き…大好きだから!
でもそんなこと言えない…っ
「離して…っ」
「嫌」
「もう…っ私のことなんかほっといて!!」
「じゃあ!!…何でそんなに泣いてるの?」
「え……」
恭弥に言われて初めて頬を伝う涙に気づく。
いつのまに…私、泣いてたの…?
「泣いてる美瑠、ほっとけるわけないでしょ…」
「……どうして…」
「え…?」
「どうして…恭弥はそんなに優しいの…?」
こんなにも私は恭弥を傷つけているのに……
私が泣いてるってだけでこうやってひきとめてくれて……
「決まってるよ。美瑠のこと、大切だから」
こうやって…抱きしめてくれる。
「…ごめん…っごめんね……恭弥…」
ぎゅっと少し抱きしめ返して恭弥と久しぶりに目をあわせた。
綺麗…綺麗な黒……
(初めて会ったときも、そうやって目を奪われた)
少し背伸びをして恭弥の唇に触れるだけのキスをする。
「ありがとう…」
「!」
そう言われて美瑠の姿が消える。
美瑠……ねぇ、美瑠……君の残像が、頭から離れない。
(君からの、久しぶりのキスが、今も熱を持ってる)
ありがとうって、どういう意味…?
どうして……こんなにも、美瑠の泣きそうな笑顔が、頭に浮かぶの…?
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