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「…許さない……」

『!!』


美瑠…!?

一斉にみんなが美瑠の方を見る。
大きな、殺気が肌を刺す。

これは…美瑠が出してるの…!?



「…許さない…っ」



ボワッと大きく死ぬ気の炎が美瑠を囲い込む。

天秤の力が…その場に満ちた。
その力は近くにいれば火傷をするほど。熱気が肌を焦がすほどだ。



「どーなってんスか!?」

「まじーな…」

「リボーン?」

「強制的に力を使ってやがる。このまま力を使わせたら美瑠は……死ぬ」

「っ!!!」

「ヒバリさん!?」



リボーンの言葉を聞いてヒバリさんが駆け出す。

炎の中心、美瑠ちゃんのところまで…!?
そんなことしたらヒバリさんが焼け死んじゃう…!!



「美瑠!!!」



反応を示さない。
まるで…力に意識をとられてるみたいに。

このままじゃ…ダメだ…っ



「美瑠っ!」


肌が引きつる。髪の毛が少しこげる。

それでも、僕は進んで……美瑠にキスした。



「僕だよ…わかる?」



ぎゅっと美瑠の体を抱きしめる。

不思議だ…さっきまですごく熱かった炎が温かい……

(まるで、美瑠の心を映しだしてるみたいだ…)



「声、聞こえる?大丈夫。僕はここにいるから」

「……」

「力を抜いて…大丈夫。美瑠なら出来るよ…」

「きょ…ゃ……」

「そうだよ。美瑠」

「恭弥…っ」



フッと意識が一瞬美瑠に戻ってきたが力の使いすぎですぐに目が閉じられる。
でも大きな炎はもう収まっていた。

よかった……

ホッとしていると、不意に笑い声が聞こえてきた。
僕はその笑い声に、思わず不快感でいっぱいになり眉をひそめる。



「…ははっ…はははは!!これだ!!
これでこそ美瑠だ!!あの炎を手に出来るのはオレだけだ!!」

「それって…っ美瑠ちゃんがまるで道具みたいじゃ、」

「道具じゃない!美瑠はオレにとって大切な女だ。
美瑠も気を失ってることだ……今のうちにお前らを始末する」



スッと手に力をこめると、チェルベッロが躍り出る。

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