残されているのは私と、シャマルだけ。
あれ?よく考えたらこの状況危なくない?私の身が。

私も行こう、と出ていこうと思えばシャマルが私の肩を掴んで目を合わせられる。
シャマルの目は先程の女たらしの色なんて全くなく、あるのは真剣な眼差しだけ。

どうしたんだろう…?
こんなに真剣な顔されるなんて……私の顔、何か変かな?




「…顔色悪くねーか?」

「あっ……今日ちょっと早起きしすぎちゃったの」




無意識に早起きした理由であるお弁当を抱き締める。
その少しの動きもシャマルは見逃さず、私が抱えていたお弁当に視線を落とした。

そしてそのお弁当をじっと見つめて、小さく嘆息する。




「あいつよりお前が寝た方がいいぞ」

「うんん、大丈夫。みんなを応援したいしね」

「……そうか。残念だなぁ。おじさん、一緒に寝たかったのに」




先程の真剣な声はどこへやら。
再び締まりのない声に変わってにやにやとされた。

何て言うか……空気を変えるのがうますぎるよね。
私が頑固なのを知っていて、こうやってはぐらかしてくれるんだから。

小さく笑って冗談きついよ、と笑顔で言い返してあげた。
案の定、シャマルはあからさまにショック受けてる。

その様子にクスクス、と笑って出口へ足を向ける。




「じゃあね、シャマル。たまにはお酒以外を摂取しなきゃだめだよ?」

「わかってるって!医者だからな」

「そうだね」




振り返りざまにこう言葉を交わして、私は完全に医務室を出た。

お弁当は日陰に置いておけば大丈夫だよね……

ぎゅっともう一度お弁当を抱えて眩しい日射しの中歩き出す。

みんなのところに行くために……

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