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微かに聞こえてくるザンザスとツナの会話。
意識が朦朧とする…みんな、同じ毒を盛られてるんだよね。
きっと同じくらい辛い……
怪我してるのにこの痛みに耐えているの…?
そう思うと自分の痛みが少し引いた気がする。
自分より、みんなの方が大切なゆえに心の方が痛い……
「ししし。助かった〜」
「ありがたき幸せ!」
この声は、ベルとレヴィ。もしかして、解毒された、の?
「り…リングが奴らに!!」
「ふっはっは。どーしたもどき。このやり方は想定外だったか?」
「……、…」
「お前もやりたきゃグローブでも投げつけろ!!ぶっははは!!」
ザンザスの余裕の笑い声。
ツナ…きっと焦ってるよね……
(だって私も内心、誰かが誰かを無抵抗だからって)
(殺そうとするんじゃないかって恐いから…)
「爆弾少年には毒でもがき苦しんでもらって…
あー美瑠は大空だったっけ?じゃーボスが勝たなきゃダメじゃん。
毒に苦しむ姫を助けるのは王子の仕事なのにさー」
ま、いっか。だってオレ王子だもん。
さーてと。こっから暴れるか!
「こっからだと雨が近いか」
んじゃ、雨の奴を殺そうっと。
立ち上がろうとした瞬間横から小さな気配と殺気。
思わずリストバンドで防いじゃったから自分のリングが飛んじゃったんだけど。
「お前は…」
「ふぅん。よくかわしたね。君…天才なんだって?」
「!ヒバリ殿!?」
「なぜ…あれは一体…雲の守護者のポールが!!?」
映像には雲のリングが置かれていたポールが折れているのが映っている。
まさか…自分でこれ、を…!?
「ヒバリの奴、自分で解毒したな」
「あ…ありえない…」
「デスヒーターは野生の象ですら歩行不可能となる猛毒…」
「束縛を嫌う奴の意地の力だ。だからこそあいつは…」
何者にも捕らわれることなく
独自の立場からファミリーを守る孤高の浮き雲!!
「それに、」
美瑠を守る男として、当然だな。
帽子に隠れたところで、ニッと口の端を上げた。
「そして本物の守護者達は使命だけでなく関係性も天候に酷似しているんだぞ」
雲は時に他の天候の契機となり嵐を巻き起こすことがある。
「(隼人の…声…)」
そっか…恭弥が隼人にリングをはじいたから解毒できたんだ。
「始めようか、天才くん」
「大空戦で余計な雑音はたてさせねぇ」
二人のおかげでツナとザンザスの戦いは続けられる。
あれから何分経ったかな……
まだ残っているのは武と髑髏と京子のお兄さん、よね。
大丈夫かな…早く、誰か解毒してあげないと……
「あいつ…思ったよりキズが深いぞ」
「ヒバリ殿!」
「っ!」
恭弥…っ怪我、したの…?
シャマルが深いと思うほどの傷を負ったの…?
(守りたい、と思っても守れない自分が許せない)
(誰も傷ついてほしくない、って思うのは偽善者なのかな…?)
「直撃!」
「実力の差がこれほどとは…」
「ツ…ナ…」
「ツナの奴…あれをぶちかます気だ」
あ、れ…?
アレって、もしかして…修行で練習してた…?
「死ぬ気の零地点突破!!」
「なんであいつが知ってんだ?」
「させねえ!」
ザンザスがツナを一方的に攻撃する。
ザンザス…何を、恐れているの…?
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