1



終わったんだね…全部。

ボス…ありがとう……




50 最後の戦い




意識が朦朧とする……
辛うじて、みんなの声が聞こえてきて状況を把握できる。



『ハァ…ハァッ…』



あぁ、熱があるからかな…?

あの時の、記憶が甦る。
寂しくて、熱が辛くて、孤独感で一杯で。

そんなとき…きてくれた、人。

カチャッとドアの開く音。暗い中…確実に、私の所に来てくれた。

そして、そっと、頭を撫でてくれたの……



『苦しいか?』

『大丈夫だ…オレが側にいてやる』

『だから…、…早くよくなれ、美瑠』


優しい声。

え…あれ……そこで、記憶が途切れていたはずなのに。

熱のせいなのかな……覚えて、る……



『ありがとう……XANXUS…』

「!」



ザン、ザス……そっか…やっと、思い出せた……
あの、人は、ザンザスだったんだね。

ポロッと涙が零れた。

ごめんね、ごめんね…ザンザス。
あなたは私に、こんなに優しくしてくれてたんだね。

覚えてなくて、ごめんなさい。
貴方のことを誤解していてごめんなさい。

今ならわかるの……

ザンザス…貴方は、ただ……寂しかった、んだよね。

お祖父様にも、誰にも心を許せずに。

ただ一人、孤独に耐えて。



「ごめんね……XANXUS…っ」



貴方の心を、わかってあげられなくて。

私が寂しいとき、側にいてくれたのに。


ツナ…ザンザスを、解放してあげて……

この苦しい鎖から……解放してあげて。

- 314 -

*前次#


ページ:

back
ALICE+