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「(はぁ…美瑠に会いたい…)」
僕がいない間にたまった書類は見たことのない量だった。
美瑠がいたときはこんなこと絶対になかったのに…さすがの僕も疲れる。
それに美瑠に会いたいのにさ……
病院に行ったら退院してて、家と思ったら誰もいなくて。
本当に、どこ行っちゃったんだろう。
「(はぁ…苛々を通り越して脱力しちゃうよ…)」
目を通しているとふと窓に気配を感じる。
また、来たんだね……
「何の用だい?…赤ん坊」
「ちゃおっス」
いつも通りの挨拶。いつもと変わらない服装。
ていうか何の用か聞いたよね。
「見ての通り、僕は忙しいんだよ」
「お前、美瑠と会ったか?」
ピクッ
なんでそんなこと聞くんだい?
「…会ってないけど」
「だろうな。お前、美瑠のことどう思ってる?」
「君に答える義務はないよ」
「答えろ。お前が後悔しないために」
…どういうこと?
一体、何が起きてるわけ?
「美瑠が会わねー理由をしってるか?」
「会わないようにされてたんだね…やっぱり」
なんとなくそうじゃないかと思ってたけどさ……
(そう思いたくなかった)
やっぱりショックだね。
「美瑠は…イタリアに帰るつもりだ。今日な」
「!どういうこと!?どうして美瑠が、イタリアに…っ」
「あいつは一時的でも、ヴァリアー側にいた。
美瑠の性格上、お前達を裏切った自分が許せない。
だから…お前達が一人前になるまで、イタリアに帰る。
つまり、何年も会わねーつもりだ」
「っ!!」
美瑠と、何年も、会えない…?
一日でも会えないと、こんなにも胸が苦しいのに……
ずっと、会えないなんて…っ冗談じゃないよ…っ!
「お前は今、どうしたい?」
「決まってるよ」
美瑠を、止めるに決まってるでしょ。
すぐにバイクの鍵を持って窓から飛び出す。
赤ん坊が言った言葉を聞きながら。
「5番ゲートだ。
たぶん美瑠は…お前がとめてくれるのを待ってるぞ」
赤ん坊の声を背に、ニヤリと笑う。
それなら…意地でも止めてみせるよ。
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