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「飛行機の準備ができたらしいぞ」
「なら、行こっか」
小さなバックを持って五番ゲートに向かう。
自家飛行機だから準備が早いね。
ディーノと一緒に審査を受けてゲートをくぐろうとする。
少し足をとめてふり返ってしまった。
やっぱり未練がましいなぁ……
もう、ふり返っちゃダメなのに……
少し苦笑をもらしてディーノに笑いかける。
「行こう」
一歩足を踏み出した瞬間にハッとした。
…今…恭弥の声がした……
まさか。聞き間違いだよ……恭弥は何も知らないんだから。
「美瑠!!」
「(え…うそっ……)」
ふり返っちゃダメ。
ふり返ったら、後悔しちゃう。
違う。あの声は恭弥じゃない…っ
(そう言い聞かせているはずなのに)
(どうしても恭弥の声に聞こえちゃう…)
「美瑠、待って!!」
「…っ」
ディーノは何も言わない。
私に振り向けとも、行くぞとも言わない。
ただ、私が選択するのを見ている。
「美瑠、僕に黙って行くつもりだったわけ?」
しょうがないよ……
恭弥のこと、嫌いって言ったり…みんなを傷つけちゃったんだから。
なら、何も言わないで行った方が、いいの。
「僕の気持ち、知ってて行っちゃうつもりだったの?」
「(恭弥の気持ち…)」
私を精一杯愛してくれた。
わかってるよ……それは、一番…わかってる。
だから…っお別れしたくなかったのに…!
「…僕は美瑠しかいらない」
「…っ」
恭弥の言葉に、封印してきた気持ちが溢れ出す。
無意識的につけていた指輪をそっと見つめた。
私も…愛してるよっ……
ずっとずっと側にいたいよ…!!
「美瑠」
「ディーノ、」
涙が溢れるのがわかる。
濡れた目でぼやけてみえるディーノは優しく微笑んでくれていた。
「お前は、後悔しない選択肢をいつも選んでるんだろ?なら、自分の心に正直になれ」
私…自分の心に正直になっていいの…?
恭弥に、好きって言っていいの…っ?
「美瑠…愛してる」
「……っ!!」
振り向いて、恭弥の胸に飛び込む。
温かくて、優しい…恭弥の体温。
「愛してる、恭弥…!」
本当は、嬉しかった。
恭弥がここまできてくれて、すごく、すごく嬉しかった。
「美瑠…っ」
「恭弥…!好き…っ私も、恭弥のこと…愛してる、の…っ!!」
好き、大好き…愛してる……
もう、自分の気持ちに嘘はつけない!
ずっと、ずっと言いたかった。
何度も叫びたかった。
恭弥、愛してるっって。
ずっと、心の中で叫んでた…っ
「愛してる、美瑠…僕も…っ
だから、いなくならないで。
ずっと…側に、いて…っ!」
「恭弥…恭弥っ…」
愛しさが止まらなくて。
力強く抱き締めながら、口づける。
離したくない、ずっと側にいて。
―――愛してる。
そんな気持ちをこめて、深く、甘い、激しいキスを……
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