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「リボーンだろ?恭弥に教えたの」

「あぁ」



空港で、人目もはばからずキスしている美瑠と雲雀を遠目に、リボーンとディーノは笑っていた。

しかし、ふとした瞬間に二人とも真剣な顔をする。



「…これで、美瑠が並盛に、残ると思うか?」

「…わからねぇな」


美瑠は言い出したら絶対に覆さない。


「だが、教えてよかったと思ってるぞ。
あのまま別れたら、美瑠は笑顔でいられなかったはずだ」

「…そうだな」



今は、あんなに幸せそうな顔しやがって。
ったく。本当に世話のやける妹分だ。



「恭弥…」

「何?」

「ちゃんと、聞いてほしいことが、あるの」

「…うん」



薄々予感していたこと。

美瑠のまっすぐな視線に、僕も応える。



「私は、弱い。ううん。弱いことを、実感させられたの」

「そんなこと…」



否定の言葉を小さく頭をふって否定する。



「スクアーロは生きていたけど、結局みんな怪我して……
それにね、最近銃の命中率が落ちてきてるの」

「!」

「このまま並盛にいたら、恭弥に守られるばっかりで、私が弱くなっちゃう。
だから…イタリアに帰って、もう一度、強くなる。
絶対に、強くなって…恭弥の隣を歩けるようにする」

「…っ」


美瑠がこんな子だって、知ってた。

守られることを、よしとしない子。

女の子なんだから…男に守られてもいいのに。


だからこそ、僕は好きになった所もある。

美瑠が望むなら…僕は……――



「…半端は嫌いだよ」

「うん。知ってる」

「強くなるなら、僕に勝てるくらい、強くなって。僕の背中を任せられるくらいに…」

「もちろんだよ」

「…っ」


ぎゅっと、美瑠を再び抱き締める。

このまま行かせたくない。ずっと、側にいて欲しい。

でも…美瑠の気持ちを、優先してあげたいって、思ってしまうんだ。


好き、だから……



「恭弥…っ」

「絶対に…帰ってきて。僕はそんなに気が長くないから…すぐに、帰ってきて」

「うん」

「メールも、電話も、して。絶対。じゃないと、僕から会いに行くから」

「うん…っ」

「絶対…っ!また、僕の側で、笑って…?」

「うん…!!」



触れるだけの、キス。

お互いに視線を交えて…何も言わず、離れる。


もう、お別れはすんだ。

後は…お互いを信じるだけ。



「さようなら、恭弥」

「…またね、美瑠」



フッと微笑んでゲートをくぐる。

さっきまでとは、違う。未練なんてない。

信じてるからこそ…もう、振り返らなかった。

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