2



「兎に角、今は守護者を全員集めるぞ。
あれから山本と話し合ったんだが、最初にほしい守護者は即戦力…つまり強ぇ奴だ」

「…!強いって言ったら…」



―――ボンゴレ10代目最強の守護者、雲雀恭弥。


こんな肩書きを言ったらきっと彼はすぐさま否定するだろう。
「僕は群れる気はない。そんなものになった覚えはないよ」…と。

しかし、最強の名をほしいままにしている彼が守護者最強、といっても過言ではない。
風紀の名の下に並盛を制圧している、彼ならば。
その強さはオレも十分わかっているし、他の人も十分認めているはず。
確かに雲雀さんがここにいてくれれば何よりも心強い。
だって、鬼をも黙らせてしまいそうなほど、強い人だから。十年も経てばその強さは計り知れないものになっているはず。

…だけど、元々何かに縛られることを嫌う人だ。

十年も経っていれば並盛以外の場所にもたくさん行動しているだろう。
突然来た自分にはその雲雀さんの居場所がわからない。

…ならば、十年後に元々いた山本ならわかるはず。そう思って聞いてみれば、予想外の「わからない」という返事。
その代わりといっては何だが、手がかりはある、といわれ差し出されたのは……一枚の写真。



「なぁ!?これってバーズの鳥じゃなかった!?」



映っていたのは黄色い、黒曜戦のときに“バーズ”という男が飼っていた鳥。
その愛らしい姿にも拘わらず中々賢いことはよく知っていた。

リボーンがいうには「ヒバード」という名前になっているらしい。

誰が名前付けたのー!?いや、確かにうまいけどさ!



―――ブーッブーッ!!



『……!?』



突然鳴り響いたブザー音に山本とリボーンの視線が一瞬にして鋭くなる。
「な、何!?」とわからないオレが動揺すれば山本は短く「侵入者だ」と告げた。

侵入者…無理に入り込んだ人間がいる。
…それはつまり“入ることができない人間”が入ってきたということだ。


敵の可能性が高い。


そう考え付くのにそう時間はかからず、山本が警戒心を露に刀を構えながらエレベーターに近づく。

よく見たらエレベーターが動いてる……しかも、こっちに降りてきているみたいだ。
恐らく、敵はそのエレベーターに乗っているのだろう。
ぱち、ぱち、と数字が一つずつ降りていって…この階を示す数字に電気が灯る。
…チン、という高い音とともにエレベーターのドアが開き……



「…っ!?」

「美瑠っ!?」

「た…け、し……」



力なく山本に倒れこんできた、女性がエレベーターから現れる。
泥でくすんでいる黒い髪に、所々破れている白いロングドレス、そして……その存在を強調するかのように光る―――月のリング。

少し大人っぽくなった声に、辛そうに歪められた表情がある女の子と重なり…思わず「美瑠ちゃん!?」と叫んでいた。


どうして…なんで、こんなにボロボロに……!


リボーンが少し焦ったように救急箱を取ってきて、美瑠ちゃんの怪我を見始める。
そんなリボーンに美瑠ちゃんは力なく視線を向け、…すごく、嬉しそうに笑った。

- 327 -

*前次#


ページ:

back
ALICE+