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いよいよ始まる。
…みんなが未来へ帰るための戦いが……
みんなが未来にきて13日後……いよいよ個別での指導が始まる日。
恭弥と私はリボーンに呼ばれていたトレーニング室に入っていく。
ツナの指導にラルが充てられたが、ラルはツナの指導をおりると言い出した。
まだ、思い描くレベルに達していないからだと。
言い争っている二人に恭弥はポケットからリングを取り出すと一つの匣を開匣する。
恭弥の匣兵器――ロールちゃんはツナに向かって容赦なく襲いかかった。
「気を抜けば死ぬよ」
「…おまえは!」
「君の才能をこじあける」
ガリガリとロールちゃんの針がツナを襲うけど、ツナはかろうじてその針を抑えているだけ。
今の…10年後のツナであればきっとこの程度の攻撃ならすぐに対処することができる。
10年前のツナはこんなにもまだ無知で力をもっていないんだなぁ……
恭弥も同じことを感じているようで、「僕の知るこの時代の君には程遠いね」と言っていた。
匣兵器は死ぬ気の炎で動いている。
それを知っているからか、ツナはすぐに零地点突破を使ったけど、その時にはもう遅かった。
ロールちゃんはツナの周りに雲の針を増殖させて…ツナを閉じ込めていた。
―――球針態。
絶対的遮断力を持った雲の炎を混合した密閉球体。
破壊するにはツナの腕力でも炎でも不可能。…爆発的な成長がない限り。
「密閉され、内部の酸素量は限られている。早く脱出しないと、死ぬよ」
「…っ!!」
「ふざけんな!てめーら10日ぶりに現れたと思えば、10代目を殺す気か!
美瑠もこいつを止めろよ!10代目が死んでもいいのかよ!?」
「弱者が土に返るのは当然のことさ。
第一、沢田綱吉を殺す理由があっても、生かしておく理由が僕にはない」
「……信じることも、必要ってことだよ。隼人」
私の言葉に隼人は怪訝そうに眉を顰めている。
きっと、私の言っている意味が理解できないのだろう。
リボーンは「じゃあ俺たちも修行始めるか」とツナのことなんて関係ないとばかりに言い出すが、隼人と武は納得できないようで、その場を動かない。
恭弥が殺すといえば、本当に殺すだろう。だからこそ、心配。
その気持ちがわかるからかリボーンはボンゴレの試練には混じり気のない本当の殺意が必要だと二人に説明した。
こうして二人はビアンキとリボーンに連れて行かれ、この場には私、恭弥、哲さん、ラルが残る。
…ツナならきっと、乗り越えてくれるはず。
こんなにも厳しい試練をこの若さで受けることは、歴代ないことだけど……
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