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「ツナ、気付いてくれるかな?」
「さあね。でも、…期待してるんだろ?」
「ふふ、そうだね」
ツナの修業後、私と恭弥はボンゴレから風紀財団の施設へ戻る。
10年後のツナは、何年もかけてあの技を完成させた。
でも、今のツナには時間がない。…できるかどうかはわからない。
それでも、10年後のツナが期待した今のツナならきっと……
「雲雀―っ!!」
「……うるさいのがきた」
後ろから聞こえてきた元気で大きな声に恭弥はげんなりし、私は嬉しくて笑顔で振り返る。
走ってきたのは、両手にランボとイーピンを抱えた了平さん。
相変わらず熱くて、優しい人で思わず笑みがこぼれる。
「おお!美瑠もいたのだな!!会えて極限に嬉しいぞ!」
「さっき会っただろ」
「む、細かいことは気にするな!!」
「ていうか、そのチビたちは何。ここは子ども立ち入り禁止だよ」
「よいではないか!」
「よくない」
「おやめください!守護者同士で争うのは、」
「うるさいよ哲」
バチバチバチと恭弥と了平さんの間に火花が飛び散る。
イーピンとランボは怖かったようで、了平さんの手から私へと飛び移ってきた。
小さいころのイーピンとランボってこんなに小さかったんだ…かわいい。
よしよし、と二人を宥めながら睨み合っている二人を見あげると、哲さんが止めてくれとばかりに私に視線を送ってきた。
…うーん…できたら止めたいけど……二人が喧嘩し出したら、止まらないんだもんなぁ……
「ならば拳と匣を交えるまでだ!!」
「僕は構わないよ」
「極限に止めるもの、何もなし!!」
「いいえ、さっきから私が止めてます!くだらない理由で守護者同士がバトルなどやめてください」
哲さんの言葉が引っ掛かったのか、了平さんはさらにヒートアップする。
オレは屋敷に入れるのに、チビ達は出入り禁止とはどういうことか、と。
そんな常に熱い了平さんに恭弥はツン!とそっぽ向く。
「本当は君だって入れたくないんだ。君を見てると闘争心が萎える」
「何を!!極限にプンスカだぞ!!」
「わかりましたわかりました。私が向こうのアジトでランボさんとイーピンさんと遊ばせてもらいます。それで勘弁してください」
哲さんが襖をあけて、ボンゴレのアジトに向かおうとする。
その姿を見て、了平さんは「しょうがない…」と諦めたように呟いたが、何故か拳は胸の前にきていた。
「では1ラウンドだけだ」
「僕は構わないよ」
「ダメです!!話合いをしてください!」
「じゃあ私も一緒に行こうかな」
「ダメ。美瑠はここにいて」
「でも、二人は出入り禁止なんだよね?困ったなぁ…」
「………、…美瑠がいるなら、譲歩してもいいよ」
「ありがとう、恭弥」
にっこり笑うと恭弥ははぁ、とため息をついて座布団の上に座り込む。
ふふ、だてに十年以上恭弥の傍にいるわけじゃない。
恭弥にどういったらいいのか、大体はわかっているつもりだ。
やはり美瑠さんには敵いませんね、と哲さんが笑っているのに、小さく笑いかえす。
こうして恭弥公認で二人と楽しく遊ぶことができたのだった。
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