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「…いよいよだね」
「うん…」
ツナたちは今パーティーを終えて、静かに寝ている。
その静けさの中、私たちはそっと寄り添いあっていた。
…もしかしたら、こうすることができるのは今日が最後かもしれない。
いや…私たちは私たちの力を信じている。だからこそ、……ううん、今考えるのはやめよう。
そっと恭弥を見上げれば、恭弥は優しく微笑んで私の唇にそっとキスを落とす。
「恭弥…」
「…好きだよ、美瑠。…傍にいて…」
「…うん。傍にいる。何があっても…絶対に」
例えこの命が尽きてしまっても。恭弥の傍にいるから……
そう誓うようにもう一度恭弥と口づけを交わす。
ゆっくりと…深く、深く、愛を伝え合うように。
そっと顔を離して、再び恭弥の胸の中で恭弥の体温を感じていると遠くから何かひっかくような音が聞こえてくる。
何の音だろう?と首を傾げると「ちょっと待ってて」と恭弥が外に出ていく。
待っていることもできず、一緒に廊下に出れば、そこには顔を真っ赤にした猫ちゃんがいた。
「…これ、」
「隼人の猫ちゃん?」
「酔っぱらってこっちに来ちゃったみたいだね。…しょうがないな」
恭弥はひょいと手慣れた手つきで猫ちゃんをつまみあげるとボンゴレのアジトへ向かう。
私も一緒についていくと猫ちゃんは嫌だったのかずっと壁をひっかいている。
うーん、動物は飼い主に似るっていうけど…本当かもしれない。
誰にもなつかないその姿は隼人そっくり。
そんなことを考えているとツナたちの部屋の前にたどり着く。
「酔っぱらって僕の所まで来たよ」
「雲雀さんと獄寺君の猫―!?」
ツナの声で起きたのか、隼人が部屋から出てくる。
どうやら匣に戻っていたと思っていたようだ。
「何してやがったんだ…瓜!」
「瓜?すごい名前だね」
恭弥が手を離すと瓜ちゃんは勢いよく隼人の方に走り出す。
あ、隼人にはなついて…って思いっきりひっかきだしたんだけど。全然懐いてない…!
その様子がおかしくって笑いをかみ殺していると「君たち…」と恭弥の低い声が聞こえてくる。
「風紀を乱すとどうなるか知ってる?」
チャッと構えたのはトンファー。
咬み殺される!とツナたちは一瞬ひやりとしたけど、ふぁ、と恭弥はあくびをこぼす。
どうやら眠いみたい。今度ね、と言って背を向けた恭弥に隼人が待て、と声をかける。
「あ…あんがとな…いずれこの借りは返す…ぜ」
「期待せずに待つよ。獄寺隼人」
「なっ、期待せずだと!?」
「あ、雲雀さん、美瑠ちゃん!明日…一緒にがんばりましょうね」
「いやだ」
うん、とうなずきかけた私とは反対に恭弥は即答で否定する。
まさかの否定だったのか、ツナたちは「え!?」とびっくりしていた。
「僕は死んでも君達と群れたり、一緒に戦ったりするつもりはない。――強いからね」
自信満々に言い放った恭弥に、やっぱり恭弥はかっこいい、なんて惚れ直す私はやっぱり恭弥ばかなんだろう。
ツナたちに「がんばろうね」と笑いかけるとツナたちは少しだけ安心したような顔をする。
おやすみ、と言って今度こそ背を向けた恭弥の後に続いて「おやすみなさい」と言ってその背を追いかける。
後ろで「やっぱり雲雀は何年経っても雲雀だな!」という笑い声が聞こえてきたのを聞きながら。
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