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「入江様、雲雀恭弥との戦闘は継続中!こちらの負傷者は相当な数です。
ですが、現時点ではことらが優勢!!雲雀を倒すのは時間の問題です!!」
「そうか。相手を考えれば満足すべきなのかもな。ご苦労…休め」
パチリと映像が途絶える。…さてと、これで侵入することができた。
ボンゴレの施設を出る前に髑髏に天秤の力をできるだけあげて、自分の内臓と私たちに幻覚をかけてもらった。
そして守護者であるランボと頼りになるイーピンも一緒に連れて、今は哲さんと一緒にいる。
できるだけ目立たずに内部の奥まで潜入したい。
その思いは恭弥も一緒だったようで、幻覚をまとったまま何も話さない。
行こう、と言って予め用意しておいたマップを見つつ、行動していくが…なんだか、おかしい。
「…マップ、変わってる…?」
「……おかしいね。さっき敵から奪ったものなのに」
「とにかく正しいマップを手に入れないと」
敵の気配がする方へと歩いていくと警備をしている男たちに出会うことができた。
ちょうどいい、と髑髏に合図するとこくり、と髑髏はうなずいた。
「すまんな、ちょっといいかな?」
「あの方は…偵察部隊のニコラ隊長殿!」
「ボンゴレのアジトに偵察へ行ったと…負傷されたのですか!?」
「うむ。この様だ。ところで、端末のマップが役に立たんのだがどうなっとるんだ?」
この人たちがいうには、どうやら正ちゃんの仕業らしい。
基地自体に特殊な構造を施していたようで、基地内の施設の配置を変えたようだった。
新しいマップを手に入れるには準備室のコンピューターで静脈認証しなければならない。
静脈認証…それは、
「困った」
ドスッと髑髏がお腹めがけて三叉を突き立てる。もちろん、柄を。
動揺しているもう一人を気絶させると二人が持っていた新しいマップを手に入れる。
二つ手に入れることができたのなら、二手に分かれた方がいい。
私たちの目的は、ツナたちの援護と……あの白い装置。
「僕と美瑠はあの白い装置を目指そう」
「哲さんと髑髏はみんなの援護をよろしくね」
「うん…気を付けて、美瑠様」
「ありがとう。髑髏も哲さんも気を付けて」
もうここからは私たちに髑髏の幻覚はいらない。
マップによるとここから4区画目で右に行って、上に上がり、8区画行けばいいようだ。
マップの通りに進んでいけば遭遇する敵を銃で死なない程度に動かないよう撃っていく。
上に上がって、大きな壁の前にぶち当たる。…あれ、本当はこの先にあるはずなのに。
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