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「この先、だよね…?」
「何故か壁があるね」
「どうしようか?」
「決まってるよ」
ニヤリと恭弥は楽しそうに笑ってロールちゃんを開匣する。
そして勢いよくその壁にぶち当てた。
…うーん、遮るものは壊してしまえ、ってところかな。恭弥らしい。
ぱらぱらと壊れていく壁の先には…倒れている武と、ブラックスペルの幻騎士。
ぼろぼろになった武に駆け寄ってその傷の具合を見たが、その傷の深さに思わず眉を顰めた。
きっと恭弥が足止めしてくれる。…その間に治療しなくちゃ。
「あぁ、君…丁度いい。白く丸い装置はこの先だったかな?」
「ボンゴレ雲の守護者、雲雀恭弥か……それに、美瑠さま。やはりボンゴレに戻られていたのですね」
恭弥から私に視線が移る。
…その視線には一切の温もりがなくて、少しだけ背筋が寒くなる。
でも負けたくなくて、私はキッと強めに彼を睨み返した。
「……幻騎士」
「白蘭様がお怒りです。すぐにお戻りください」
「いや。私の居場所はボンゴレ、そして恭弥の隣だよ。だから、白蘭のところには戻らない」
「そういうわけだから。諦めなよ」
「…仕方ない。ならば…力ずくで戻ってもらう」
幻騎士の匣が開匣され、周りがジャングルのような景色に変わる。
実際にはありえないこと。…つまり、幻覚。
「どうやら君は霧の幻術使いのようだね」
恭弥は一つのリングを指に付ける。
「君に個人的な恨みはないけど、僕は術士が嫌いでね。――這いつくばらせたくなる」
思い出すのはきっと骸のことなんだろう。
ボンゴレの本部で何度幻覚と匣を組み合わせた攻撃に恭弥がブチ切れたことだろう……
その怒りを思い出したのか、いつもよりも強い炎がリングに宿る。
「雲雀恭弥…ボンゴレ最強の守護者だという噂は聞いている。それが真かどうか、確かめよう」
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