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「クフフフ…それはどうでしょうねぇ。僕に限って」
「骸様…」
「あれれ?」
骸と白蘭の炎が激しくぶつかり合い、骸の幻覚が白蘭を襲う。
すごい…!これが10年後の骸…炎のリアリティが格段に違う。
お久しぶりです、と笑う骸は私の知っている骸と同じ。…幻覚でも、幻覚ではないと考えた方がいいというのは本当みたい。
「怪我とか大丈夫なの?」
「綱吉くんの言うとおりだよ、骸クン」
どうやら髑髏から内臓の幻覚がなくなったとき、白蘭によって精神ごと消されてしまいそうになったらしい。
でも、骸の仲間に外から穴をあけてもらって、間一髪脱出したみたいだった。
骸はさらに幻覚を重ねていって、こちらにまで熱が伝わってくるほどの火柱を立てる。
それでも白蘭には効かないようで、余裕の笑みを浮かべていた。
「これじゃ僕には勝てないよ。いくら本物に近い幻覚とは言っても所詮君はニセの作り物だ。
僕に勝ちたいんなら少なくとも、復讐者の牢獄から抜け出して、君自身の肉体で戦わないとね」
「…!!」
まさか…骸、10年以上も復讐者の牢獄にいるの…?
あの水槽にずっと浸かって……
その事実に私もツナたちもずきり、と胸を痛めた。
それでも骸はご心配なく、と小さく笑った。
「僕が自らの手で直接あなたを倒す日も遠くはない」
「…!?」
「我々はすでに動く出している、とだけ言っておきましょう。
…それに、今この場では足止めさえできれば僕の勝ちですよ」
さぁ、行け、と骸は私たちに並盛に帰るよう促す。
ここは骸に任せよう、というディーノの言葉に、骸を信じようと言葉を重ねる。
「骸!!また会えるのか!?」
「当然です。僕以外の人間に世界をとられるのは面白くありませんからね」
あぁ、なんだか骸らしい言葉だ、と思わず笑ってしまう。
骸はこういうけど、本音は違うことはいつだってわかっている。
「いいですか、沢田綱吉。絶対に大空のアルコバレーノ、ユニを美瑠と一緒に白蘭に渡してはいけない」
「黙って♪」
「骸!」
白蘭が骸の幻覚を潰そうと攻撃を仕掛けてくる。
骸も限界だったみたいで、さらさらと骸の幻覚が解けていくのがわかる。
骸に言われて、みんなでリングに炎を灯し、システムにリングの炎を注ぐ。
「美瑠」
「…!」
「諦めないでください。絶対に、捕まってはいけませんよ」
「骸、私…」
「10年後の君を守りきれなかった僕に…今度こそ、守らせてください」
ふわり、と微笑みかけた骸に思わず言葉を詰まらせる。
10年後の私が一時期ミルフィオーレに捕まっていたことを聞いていた。…それが、予定外のことであったことも。
10年後の恭弥とツナの予定では、ツナと一緒に私も麻酔弾を受けて長い眠りにつくはずだった。
そして、時を見て今のツナと一緒に入れ替わる予定だった。
そうすれば私の身は必ず安全に守られる、と考えていたが――予定外のことが起こった。
ツナは麻酔弾を受けたが、私は白蘭によってそのまま捕まえられてしまったのだ。
その期間、私がどんな風に扱われていたのかはわからない。…それは10年後の私のみ知ることだろう。
でも、これだけは言える。私は、白蘭に捕まるべきではなかった。
捕まったせいで…恭弥や骸、他の仲間たちに大きな心配をかけてしまったのだから。
ごめんね、骸……心配をかけて、ごめんね。
私はもう、負けないから。誰にも捕まらないから。…この身はいつだってみんなの傍にあるから。
骸、と名前を呼んだ瞬間、システムが作動してテレポーテーションしてしまう。
いつまでも、骸の笑顔が頭から離れなかった。
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