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「覚悟はいいかい?」
ガシャン、と一方にとげが現れて、恭弥は手錠をひゅんひゅんと回している。
デイジーはしばらく手錠を見つめていたけど、ニッと笑みを浮かべて恭弥に向かっていった。
恭弥とデイジーは激しく戦い合っていたが、恭弥の手錠がデイジーの腕を捕まえる。
「もう逃がさないよ」
恭弥が手を引っ張り、トンファーで殴りつけようとした瞬間、デイジーの腕の一部だけがちぎれる。
ちぎれたかと思ったらすぐさま腕が再生し、恭弥の顔面にデイジーの拳がめり込んだ。
自分から腕を切断して、再生するなんて…まるでトカゲのしっぽ切りのよう。
さらにデイジーは晴の炎の持ち主。そう考えればあの再生スピードも説明がつく。
「修羅開匣は能力のかけ算なんだよ。
匣アニマルのもつ特殊能力と人間の能力が掛け合わされて、あらゆる生命体のリミッターを超えた能力を生み出すことができるんだ」
だからトカゲのしっぽでは考えられないことも、できる。
デイジーの言葉通り、ちぎれたはずの腕の一部が腕となって恭弥の首を絞め始めた。
形そのものを変化することができるなんて…!
恭弥はすぐさまトンファーで腕を殴りつぶし、態勢を立て直す。
「残念だけど、君のボンゴレ匣は僕チンと相性最悪さ。もう諦めて美瑠様をこっちに渡しなよ」
「いらないな」
「…?」
「その程度ならトンファーはいらない」
いつの間にか恭弥の手には手錠が二つあった。
先ほどまで1つだったのに…それが、いつの間にか手品のように4つに増える。
「校舎を壊した罪で、君を逮捕する」
4つの手錠…一体恭弥はどうする気なんだろう。
みんなも予想がつかなくて、恭弥の戦いを固唾をのんで見守る。
デイジーは「手錠を増やしたところで同じだ」と言って恭弥に再び向かっていく。
「僕も同感さ」
ガシャン、ガシャンとデイジーの両手首に再び手錠がかけられる。
先ほどはすぐにトカゲのように切られてしまったけれど、今度は一体どうするつもりなんだろう。
「10や20ならね」
恭弥はニッと笑うとリングに雲の炎を灯す。
それと同時に手錠が一気にガシャンという音を立てて増えていき、デイジーの体を覆い尽くす。
雲属性の増殖で、手錠が拘束具のようにデイジーの体を縛り付けていた。
「こんなの…聞いてない!」
「君…死にたがってたみたいだけど、そんな甘えは許さないよ」
「え?」
「しめあげよう」
ぎゅっと恭弥が持っていた手錠を引っ張ると中で拘束具がしまったのか、デイジーが苦しさに悲鳴をあげる。
やっぱり正ちゃんが思っていた通り、ボンゴレ匣だけは白蘭に攻略されていないみたいだった。
悲鳴をあげるデイジーに容赦なく恭弥は締め上げる力をゆるませない。
苦しさのあまり、デイジーは泡を吹いてその場に倒れこんだ。
「思ったより情けないね。君が死にたくても死ねないのは晴の活性の炎が体内を巡っているからだろ?
これは風紀委員が没収する」
デイジーの指からマーレリングを抜き取れば、デイジーはもとに人間に戻る。
拘束具となっていた手錠をとると、持っていた普通の縄でデイジーを縛り上げた。
ツナに恭弥がデイジーを倒したことを伝えて、デイジーはキャバッローネの人たちに拘束してもらうことに。
「さてと、壊れた校舎の修理を手配しないとね」
「あっ、手伝うよ、恭弥」
「(こんな時までマイペースだな、本当)じゃあ俺らはデイジーを運んでおくな」
「ありがとう、ディーノ」
行こう、と促されて私たちは風紀財団のアジトへと向かう。
どうやらツナたちの方も平川不動産に隠れていて大丈夫なようだし……
10年前と変わらない仕事内容に小さく笑いながら工事の手配をすることにした。
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