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ようやく話せるとばかりに恭弥はトンファーを持ちながら立ち上がる。
…よくちゃんとここまで我慢できたよね。恭弥にしては。



「もういいかい?何勝手に殺してんの?」

「幻覚とやらは終わったのか?」

「10秒かせっつーから待っててやったが」

「30秒もオーバーしてんじゃないの!!」

「クソガエル」

「ち。あっ、舌打ちしちゃいましたー」

「奴らを倒したのは、全部幻覚!?…っじゃあ、美瑠様も…!」

「クフフフ…ウォーミングアップは済みました」



桔梗の腕の中にいた私は霧のようにふわりと姿を消す。
代わりに私が茂みの中から出てくれば、桔梗は悔しそうに唇をかんだ。



「おーい、フラン」

「ハーイ、センパーイ」

「幻覚で敵を騙すのはいいが、わざわざオレ達を殺してみせる意味あったのか?」

「わかってないなーベルセンパイ。
リアリティのためですよ。幻覚っていうのはドッキリみたいなもんですからー」

「違いますよ」



ざっくりと否定されてフランは「あれ…」ととぼけ、ベルに怒りがわいてくる。
フランはその後、骸のスプラッタ趣味だと言い、骸から三叉で頭を刺されていた。
思いっきり突き刺さっているが血が出ることもなく、フランが本気で痛がることもない。

(本人は「いたいですー」と無表情で訴えているが)


今回の幻覚の目的は2つ。

骸のウォーミングアップと真6弔花の能力を引き出し、データをとること。
実際に今回の幻覚でブルーベルの絶対防御領域と桔梗の地中からの攻撃データをとることに成功している。
骸の解説にフランは「なーる」なんて納得したようなことを言っているがきっとフランのことだからやはり惚けているだけなのだろう。

彼の能力は本物だ。そして、その性格の悪さと頭の良さも。



「ってか、いつまで六道骸の幻覚出してんだ?あいつは復讐者の牢獄に沈んでんだろうが」

「あれー?聞いてませんか?あのパイナポー頭は幻覚ではなく正真正銘1分の1スケールの六道骸本人ですー
ミーの師匠、復讐者の牢獄から出所しちゃいましたー」

「…!!」



パイナポー頭にむかついたのか、骸は再び三叉をフランに突き刺していた。
けど、やはりフランの無表情は変わることはない。
自慢げに犬が笑っているがすぐにフランにバカにされて怒り出す。

桔梗が復讐者を欺いたのが骸の弟子であるのならば納得できる、と話すとフランは「ヤッター師匠、有名人じゃないですかー」と棒読み。
それが癇に障ることをしっかり理解しながらしているのだから面白い。案の定、再び三叉がフランの頭に突き刺していた。



「このようなダメ弟子を預かっていただいていることには感謝しますよ、XANXUS」

「どのみち君の余計な助けはいらなかったよ」



恭弥はトンファーを構えたが、骸は「強がらないでください」と一蹴。

…そう、恭弥だってわかっているんだ。
骸の幻術で三人のデータを引き出すことができてもなお、真6弔花は強いことを。

不敵に笑う真6弔花の三人に私たちはまっすぐ三人を見上げていた。



「ここからは本当の死闘となるでしょう」

「はーい、本番いきまーす!」

「……、いいさ。話の続きはアレを倒してからだ」



ここがミルフィオーレとボンゴレの総力決戦。

この場を制したものが勝利。――絶対に、負けられない。


ぴんと張った緊張が、流れた。


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