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「それはさせない!!」



突然響き渡った頼もしい声に、私たちは顔をあげる。

…やっぱり…来てくれたんだね、ツナ…!

飛んでくるツナにほっと安心しつつも、これからどうやって戦うつもりなのか少しだけ心配になる。
炎も匣も使うことができないゴースト相手にどうやって戦うのか……

ツナは吸われていく炎に少しだけ目を細めると零地点突破改の構えをしながらゴーストに近づいていく。

つまり、ツナもゴーストの炎を吸収するつもりだ…!
吸収と吸収…!!一体どうなるの…!!

激しくゴーストとツナの吸収の力がぶつかり合う。そのすさまじさに目を開けていることも辛い。
ツナが吸収の力を強めた瞬間、ツナの手の中にゴースト自身が吸収されていく。

ツナの手には炎だけしか吸収できないはず…つまり、ゴースト自体は大きな炎の塊だった、の…?

全て吸い込み終わるとツナは地面に着地し、そのまま動かない。
ゴーストを倒したことでよくやった、とお兄さんが近づこうとしたが、ツナは「くるな」と制する。


――確かにおかしい。

スクアーロやザンザス、骸やディーノも同じことを思っていたようで、怪訝そうな顔をしている。
ツナの零地点突破改は敵の炎を吸収して、自分の炎に変換する技だ。
みんなの炎を吸って巨大な炎を持っているはずのゴーストの炎を吸収してもツナの炎はほとんど変わらない。

零地点突破改で吸えたということは、ゴーストは炎の塊だった。…でも、変換できていない。
じゃあ、ツナが吸収したゴーストの炎は一体どこに行ってしまったの…?

そんな疑問が満ちてきたとき、突然、その疑問を切り裂くような声が空から降ってきた。



「いやぁ、すごいすごい!GHOSTを倒しちゃうなんてさ♪」

「白蘭…!!きたか!」

「また元気な君に会えるとは嬉しいなぁ、綱吉クン」

「白蘭」

「美瑠ちゃんもいるみたいだね。やっぱり守られてるだけじゃなかったかぁ」

「…っ」

「それにしても綱吉君、君は物好きだなぁ。
骸君にXANXUS君、かつて君の命を消そうとした者を従えてるなんて、正気の沙汰じゃない」

「おい、カス。言っておくがオレは沢田に、従っちゃいねぇ」



ザンザスの銃撃が白蘭にぶつかり、派手な音を立てる。
骸も同じだったようで、骸のリングに炎が灯り「心外だ」といいながら炎をぶつけていた。
二人の炎が白蘭を包み込むが、バキン!と音を立てて二人の炎がはじかれていく。



「そっかーゴメンゴメン」



そこに立っている白蘭は二人に炎をぶつけられていたはずなのに傷一つない。

しかも白蘭は二人の炎を「へなちょこ」だという。…それはそうだ。
二人はゴーストに大量の炎を吸い取られてしまっている。
白蘭の言葉を借りるなら二人とも「ガス欠」状態なのだろう。きっと、みんなと同じように。

白蘭の言葉に二人は図星だったのか、微かに冷や汗をかく。

そんな二人にツナは「お前たちはさがっていろ」と制した。



「こいつの相手はオレだ!」

「…!」

「アハハ、何で僕が今頃ここに寄ったかわかるかい、綱吉クン?
やっと準備ができたからさ♪僕の心と体のね」

「オレはとっくに、できてるぜ」



ツナの体は一瞬にして白蘭の後ろをとり、白蘭の顔にツナの蹴りが決まる。
そして流れるように足技を決めると炎の純度を上げて、白蘭に一撃が決まったと思われた。

でも、驚くべきことに、ツナの鋭い一撃は白蘭の人差し指だけで止められていた。

あの強力な一撃をたった人差し指だけで防ぐなんて…!

焦るツナに対して、白蘭は「あれ、どーしたの?君の精一杯はこんなもんかい?」と余裕の笑みを浮かべる。



「じゃあ僕の番だ♪」



白指!!


たった人差し指に込めた炎だけでツナの体は地面へと吹き飛ばされてしまう。

軽い力のように見えるのに…なんて強い力…!

白蘭は「これくらいでまいってもらっちゃ困るよ」と先ほどと変わらない笑みを浮かべる。
まだゴーストから吸収した炎の一割の力も使っていないんだから、と。
この言葉ですべての謎が解ける。ツナが吸収したはずのゴーストの炎はどこへいったのか。

ゴーストが吸ったみんなの炎はすべて、



「僕の体の中にあるのさ♪」


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