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「おいしいでしょ♪」

「…うん。もう一個ちょうだい」

「うん、何個でも食べていいよ」

「ありがとう」



ふわり、と笑ってくれた。僕に、僕だけに。

その瞬間、得も言われぬ満足感が僕の心を満たしていく。

もっと、美瑠ちゃんの笑顔が見たい。もっと、美瑠ちゃんと一緒にいたい。もっと…僕のことを考えてほしい。
欲はどんどんまた膨らんでいくけど、今はただ、美瑠ちゃんの笑顔を見れて、満足。



それなのに、美瑠ちゃんは次の日から原因不明の眠りについた。



無理矢理起こすこともできない。精神の中に入っても真っ暗で、…魂ごとどこかへ行っているようだった。
せっかく美瑠ちゃんと一緒にいられると思ったのに。美瑠ちゃんの笑顔が見れると思ったのに。

僕はまた喪失感でいっぱいになった。

少しだけ色づいていた世界も再び色あせて、世界への違和感が大きくなっていった。
だから、ボンゴレへの攻撃もやめなかったし、…さらに激しくなっていった。

全て壊れればいい。美瑠ちゃんがいない世界なんて……もう、イラナイ。

そう自棄になっていたとき、綱吉クンたちが10年前の世界からやってきた。
あぁ、そうだ。まだ世界の創造主になるゲームが残っていた。
でももうつまんないんだよなーなんて思っていたとき、部下から驚くべきことを聞かされる。


“美瑠ちゃんが部屋にいない”ということを。


どうやら美瑠ちゃんの魂は戻ってきて、ここを静かに抜け出していたようだった。
寝ているからと手錠や足の鎖をとっていたからね……

再び僕に色が戻ってきたような気がした。あぁ、美瑠ちゃんがまた、生きてくれているんだ。

ミルフィオーレにある監視カメラに映る美瑠ちゃんをそっと指先でなぞって、自然と笑みが浮かぶのがわかった。


美瑠ちゃん、今度こそ僕の物にするから。絶対に、捕まえてみせる。


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