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白蘭は一瞬だけ私をじっと見つめたけど、再び不敵な笑みを浮かべる。



「泣いても叫んでも無駄だよ。もうアルコバレーノも僕を倒してはくれない」

「その通りだ」



突然介入してきた言葉に、みんながリボーンを一斉に見る。

誰も白蘭を倒してはくれない、ということだろうか。リボーンは、もう、白蘭を倒すことを諦めたということだろうか。



「お前を倒すのはアルコバレーノじゃねぇ。オレの生徒――ツナだ」



自信満々に言い切ったリボーン。…だけど、ツナの意識はまだ戻っていない。

白蘭もツナが復活する可能性はないと思っているのか、「アハハ!」とリボーンの言葉を笑い飛ばす。



「何を見てたの?リボーンクン。綱吉クンは今完全に壊したよ!」

「ツナの死ぬ気をなめんじゃねぇ。第一、勝てるかどうかなんて言ってんじゃねーぞ。
ツナ、お前は白蘭を倒さなきゃなんねーんだ」



いつもリボーンはツナの折れそうな心を奮い立たせてくれた。

白蘭は「今時、ど根性精神論かい!?」と笑ってバカにしていたけど、これがリボーンのやり方。



「いいか、ツナ。死ぬ気で戦ってんのはお前だけじゃねぇ。
ユニもお前たちを平和な過去に帰すために命を捧げるつもりなんだぞ」

「そんな…!!」



リボーンの言葉に、思わず眉を顰める。
ユニちゃんもリボーンの言葉を否定することはない。…つまり、本当のことなんだ。

アルコバレーノを復活させるのは大空のユニちゃんの力をもってしても簡単なことじゃない。
おしゃぶりから全身全霊をかけた“命の炎”を燃やす必要があるだろう。つまり、死の危険をともなう。

白蘭でさえもそれは初耳だったようで「そうだったの?」と驚いていた。

確かにアルコバレーノの大空ならできるかもしれない。すべてを包み込む大空なのだから……



「ふーん。そんなバカげたこと、ますますやめさせなきゃね。
ユニちゃんの命は僕のためにあるんだもん♪」



さあ、と笑顔で迫る白蘭に私はユニちゃんをかばうように背中に隠す。

この子を白蘭に渡しちゃいけない…!命をかけてでもみんなを助けようとしてくれているこの子を、守らないと…!

そう覚悟した時、「ごほっ!」とツナが咳き込む声が聞こえて、すぐに視線をツナに向ける。
ツナはごほごほと咳き込みながらも体を起こしていた。

ツナ…!よかった…!

みんなもツナの目覚めに希望を抱くが、心配にもなる。先ほどまで気を失っていたのだから。
目覚めたツナに白蘭は面白かったのか「本当にリボーンくんの叱咤激励で起きちゃったよ。すごいコンビだなぁ」と笑う。


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