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白蘭の背からどす黒い羽が生えて、禍々しい雰囲気が強くなる。
ツナと白蘭の戦いはさらに激しさを増して、白蘭の羽がツナへと複数の腕として向かっていった。
もちろんツナはすべてを焼き切ったけど、その破片がユニちゃんへと落ちていく。
危ない!と私は慌てて銃に炎を込めて撃ち落としたけど、二つだけユニちゃんへと落ちてしまう。
ユニちゃん!!と叫んだ瞬間、ユニちゃんの周りには炎が守るように燃え上がる。
その大量の炎は本気の炎。…つまり、ユニちゃんは本気でおしゃぶりに命を捧げて死ぬ気なんだ…!
ユニちゃんの本気をみんな察したみたいで白蘭は初めて焦りの表情を見せた。
「まて、ユニ!!そこまでしてアルコバレーノを復活させる必要はない!」
「いいえ。彼らの復活は沢田さんたちが平和な過去へ帰るためにも必要なんです。
そして、それは多くの人々の命を救うことにつながります……
ようやく私の力を正しく使うための機が熟しました。
これが私にできる唯一の賭け…そして避けることのできない、私の運命」
ユニちゃんの覚悟を決めた声が静かに響き渡る。
ユニちゃんの気持ちが十分に伝わってきて、私はユニちゃんを止められないことを悟ると悔しさから涙が零れ落ちていった。
ユニちゃんを犠牲にして私たちが幸せになるなんて…そんなことはできない。したく、ない。
でも、ユニちゃんはそれしか方法がないという。みんなのために、命を落とすことを覚悟している。
どうしたら…どうしたら、私、ユニちゃんを助けることが、
「僕の許可なく死んじゃうなんて勝手なことが許されると思うのかい!!」
白蘭の動きがユニちゃんを止めるためにユニちゃんの方へ向かってくる。
ツナはそんな白蘭の前に立ちはだかり、白蘭を阻止する。
お前にだけはユニは渡さない、と言うツナに白蘭はイラついたのかツナを先に消すだけだと再び戦闘が始まった。
ユニちゃん、とそっと彼女の体に触れると呼応するように私の月の力がふわりと灯る。
月の力にユニちゃんは目を開けると「お姉さま…」とかすかにつぶやいた。
「私の力を使って…!そうすればきっとユニちゃんが命を捧げることまではしなくてもいいはず、」
「いいえ、お姉さま。それはいけません。お姉さまがいなければ世界の均衡が崩れてしまいます。だから、離れて」
「でも…!」
「大丈夫。お姉さまが傍にいてくれるだけで、勇気が出ますから」
ふわりと笑ったユニちゃんに私は涙をぬぐって一歩だけ離れる。
力が抜けていく感覚はなくなり、ユニちゃんの様子をただ心配そうに見ることしかできない。
それが歯がゆくて、どうにかしてあげたくて、たまらなかった。
外からみんながユニちゃんを脱出させようと力をぶつけているけど、固くてなかなか破ることはできない。
ツナと白蘭の戦いは激しくなるばかりで、二人の息もあがっていく。
どうすればみんな…ユニちゃんも無事に生きていけるの…!考えて、考えなきゃ…!
そう考えを巡らせているとユニちゃんの炎がなぜかどんどん小さくなっていく。
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