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「美瑠、どうしたの?」
「棒倒し、A組の総大将がツナなの。B・C合同と対決だなんて…危険すぎるよ…っ」
ツナが怪我しちゃう、と本当に心配そうに呟く美瑠に少しだけ首を傾げた。
ツナ、って誰だっけ……マグロ、ではないよね。
どこかで聞いたことが……あぁ、そうか。赤ん坊の隣にいる小動物のことだ。
確か本名は、沢田綱吉。
美瑠と同じクラスで結構仲のいい奴だ。
そいつがA組の総大将か。赤ん坊がまた何か仕組んだのかな?
…なんだか、面白そうじゃない?
「BとCの総大将は決まったのかな」
「え?ううん。まだみたいだけど…」
「ごちそうさま」
「えっ…、恭弥?」
再び窓に足をかけてその身を乗り出す。
美瑠が危ないよ、と慌てていたけど大丈夫、と笑いかけた。
大体、美瑠は少し心配性過ぎるよ。
そんなに心配しなくても僕は落ちるようなヘマはしないのに。…慣れているから。
あぁ、慣れてるなんて言ったら余計心配するかな?
「僕が総大将するよ」
「えっ…!?」
信じられない、ってばかりに美瑠の目が見開かれていく。
そんな美瑠に手を差し出せば今度はキョトリ、とした表情に変化した。
その表情が可笑しくて、クスッと笑うと小さく首を傾げる。
「見に行くんでしょ?」
「あ、うん!」
「じゃ、手貸して」
「うん……ってきゃー!」
ぐいっと引っ張ってそのまま素早く美瑠を横抱きにする。
そしてその反動を加えて足に力をこめてタンッと勢いよく飛び出した。
その予想外の僕の行動によっぽど吃驚したんだろうね。
美瑠は今まであげたことないような大きな声をあげて叫んでた。
ワォ、美瑠でもこんな大きな声が出せるんだ。
(また一つ、美瑠のこと知れた)
ストン、と地面に着地すると美瑠はあまりのショックに固まってた。
なんていうか……ポカン、としてる感じかな?
呆然としている美瑠に大丈夫?と声を掛けると辛うじて「だ、大丈夫…」という返事が返ってきた。
そっと地面におろしてあげるけどヘタリ、と美瑠はその場に座り込む。
「ごめんね、急すぎた?」
「う、うん……できれば言ってから降りてほしかった…」
「まさかここまで吃驚されるとは思わなくて」
「(誰でも吃驚するよ…!)」
苦笑しながら座り込み、美瑠と目線を合わせる。
美瑠が力無く笑うから僕はできるだけ優しく頭を撫でてあげた。
少しでも安心して欲しくて。
美瑠は僕が頭を撫でるとどこか懐かしそうに目を細めながら僕を見つめた。
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