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「ツナが襲われた?」
リボーンから電話があり、思わずリボーンの言葉に眉を顰める。
どうやらボンゴレ継承式をよく思わないファミリーもいるようで、ツナを襲ってきたらしい。
もちろん、未来で力を磨いてきたツナだ。大きなけがもなく圧勝だったと聞いて安心する。
このことを受けて、隼人がみんなでツナを警護する案を思いついたらしい。
お隣のファミリーであるシモンファミリーも巻き込んで。
シモンファミリーは継承式を成功させるために協力を惜しまないと言っているらしい。
よかった、と安心しているとどうやら今日は水野薫さんと武のペアがツナの警護らしい。
リボーン曰く、今水野薫さんのあがり症を治すために特訓しているのだとか。
そのために人が必要だから来い、と言われてちょうど並中にいるよ、と伝えてグラウンドへと向かう。
グラウンドにはハルとハルが持ってきた被り物、ビアンキや京子、らうじさんやイーピンランボフゥ太までいた。
久しぶりだね、と再会を喜びつつ、被り物のサイズ直しを始める。
「美瑠ちゃん」
「あ、炎真君!」
「何被るの?」
「私はとうもろこし!おいしそうでしょ?」
「うん」
「一緒に直そう」
持っていた裁縫道具を使って解れているところを直したり、少しずつサイズ直しをしていく。
結構楽しいなぁ、なんて思いながらすいすいと縫っていると隣で「わっ」と声が上がる。
どうしたんだろう、と見てみれば、炎真君の指から再び血が飛んでいた。
「炎真君、大丈夫!?」
「わわ、止血しなきゃ!」
炎真君は慣れているように怪我した指を口に含むとしばらくじっとする。
痛そう、と顔をしかめていたが「慣れてるから」と一言。
怪我の多い人たちが周りに多いので私はすぐさまポケットから絆創膏を取り出す。
「炎真君、手、貸して」
「え」
炎真君の手をとると、絆創膏を丁寧に巻き付ける。
大した怪我じゃないとわかっているけれど、怪我をしてそのままにしておくのもよくはない。
巻き付けた後で「早く良くなるといいね」とそっと怪我を撫でる。
炎真君は私が巻き付けた絆創膏をじっと見つめていたけど、小さく「ありがとう」とつぶやいた。
…そのほほが少しだけ赤くなってることに気付かない。
「さ、あと少しだしがんばろう!」
「うん」
にっこり笑いかけてとうもろこしの修繕をしていく。
少しだけ空が赤色に染まってきたころ、ようやくみんなの被り物も完成する。
あがり症を治すために野菜の中にいるイメージをつけさせたいのだそうだ。
確かにサラダの中にいるように見えたようで、薫さんは無事にみんなの前で投げることができた。
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