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継承式まであと3日…予想外の事態が起こっていた。
伝説の殺し屋集団であるギーグファミリーが並盛5丁目の工場跡地で返り討ちにあったというのだ。
あのギーグファミリーが返り討ちにあったなんて…とんでもなく強いことは確かだ。
犯人は不明で、いまだに捕まっていないという。
やばい、と騒ぐツナにみんなが「守ろう!」と一気に護衛のために部屋から出ていく。
ツナは慌てていたけど、みんなはとってもやる気満々。
私もがんばらないと!大切な十代目のためだもの!みんなに負けてられない!
「ツナ、大丈夫だよ。みんなでツナのこと守るからね」
「え、いや、そうじゃ…!」
「炎真君、行こう!」
「うん」
「あ、ちょっと!」
ツナに引き留められたような気がしたけど、炎真君と二人で家の外に出る。
周りを見張ろうと思ったのだが、沢田家の前に止まっていた車から出てきた二人に思わず表情が明るくなった。
九代目の守護者、雷の守護者であるガナッシュと嵐の守護者コヨーテ。
二人とも私がイタリアにいたころから「姫」と呼んで大切にしてくれた人たちだ。
「ガナッシュ!コヨーテ!」
「おぉ、姫!探したぜ!」
「お久しぶりです!どうしてここに?」
「九代目が姫と十代目に会いたがっててな。迎えにきたんだ」
「…!おじいさまが、日本にいらっしゃるんですか?」
「あぁ。姫にはサプライズだってよ」
「ふふ、おじいさまらしい。ツナ―!リボーン!おじいさまが会いたいってー!」
「あぁ、今行く」
「いきなりー!?」
窓から私たちの様子を見ていたリボーンとツナに声をかければ、降りてくるようだった。
三人で車に乗り込めば、ついたのは大きなホテル。
ツナは初めて会ったおじいさまの守護者たちの雰囲気に飲まれて表情が硬い。
それを見てガナッシュがにやにやしていたが。
「ガナッシュ、からかっちゃだめだよ?」
「いや〜面白くってな」
きっとしばらくはツナのビビり具合ににやにやしていることだろう。
仕方ないな、と肩をすくめて、エレベーターで最上階まで向かう。
チン!と音とともにエレベーターがつき、目の前に広がるのは広い広い部屋。
そして、お野菜にお水をあげている、大好きなおじいさま。
「おじいさま!」
「おぉ、美瑠。よく来たね」
迷いなくおじいさまに抱き着くと伝わってくるおじいさまの温かさ。
その温かさに安心しているとおじいさまは「よく来たね、綱吉君」と笑ったような気がした。
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