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「純粋なボンゴレの意思を継ぐことができるのは君しかいないんじゃ。
もう一日だけじっくり考えてくれないかの?」

「…っ、」



おじいさまは真剣なまなざしでツナを見つめる。
ツナはとても動揺していたようだったが、真剣な瞳を受け止め、見つめ返していた。



「で、でも、まだオレ子供です!なんでそんなに急ぐんですか!?」

「確かに就職するには少し早いが、プリーモが自警団を組織しはじめたのも君の年の頃だ。
わしは未来での君を見てもう大丈夫だと確信したのだよ。ならば善は急げじゃ。
君が一日でも早くボスを継げば君の見たくない抗争や殺し合いが早くなくなるはずじゃ」

「そ…そんな…」



戸惑ったような声音でうつむくツナに「継いでくれと頼んでいるみたいじゃな、スマンスマン!」とおじいさまはのほほんと笑う。
嫌ならいやと明日までに答えてくれればいい、というおじいさまにそんな簡単に、とツナは困っていた。

キャンセルすればいいだけだと簡単に笑うおじいさま。



「…お茶がはいりましたよ」

「おぉ、美瑠。ありがとう。どうだい、ツッ君。一緒に夕食を食べていかんか?」

「えっ…いや…もう、失礼します!」

「オレは朝まで話がある。泊まってくぞ」

「わ、わかった。ゆっくりしてけよ!」

「私もご飯まで食べていくね」

「うん!じゃあね、美瑠ちゃん!」



送られるツナを優しい視線で見送るおじいさま。
リボーンとおじいさま、自分の分の紅茶を淹れるとゆったりとしたソファーに座る。

おじいさまはあれでよかったのだろうか……
ツナに十代目を継いでほしいと一番に思っているのは恐らくおじいさま自身だろう。

そして、私だって。ツナが十代目になってくれたら、と心から望んでいるのだから。

リボーンは私が淹れた紅茶を一口飲むと「よかったのか」とおじいさまに問いかける。



「あんななまっちょろい言い方でツナがボスを継ぐって思っているのか?」

「一瞬あの子の目が真剣に考えてくれているのがわかった。それで充分じゃよ」

「…おじいさま」

「美瑠としては綱吉君に継いでほしいじゃろうけどな」

「はい…」



月の守護者として、大空と認めているのはツナだけだ。
もしツナが十代目を継がないのであれば、私も月の守護者にはならない覚悟がある。

月の守護者の力をもちながら、月の守護者にならないことは、許されないかもしれないが……
ツナ以外の大空に、私の力を任せるつもりはないのだから。

おじいさまは金庫から大事そうにボンゴレの紋章が入ったケースを持ってくる。

もしかして、これが伝説の、



「これがそうか?」

「…あぁ」



プリーモより代々継承式で受け継がれてきた、ボンゴレの至宝。


――『罪』


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