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―――ボンゴレ継承式、当日。


私はツナたちとは別に恭弥のお屋敷にお邪魔していた。
大好きな並盛中学校で並中生が傷つけられたという事実は恭弥のプライドを傷つけていた。

セキュリティは風紀委員が見回ることで万全だと思っていたのに……

恭弥は犯人を捜してくれたけど、ボンゴレの情報網でも突き止められなかった犯人を風紀の情報網が突き止められるはずがなく、恭弥は苛立っていた。
犯人はマフィアである可能性があること、そしてその犯人は今日の継承式に現れるかもしれないことを伝えると恭弥はスーツに着替えてくれた。

ヴァイオレットのシャツに黒いスーツを着こなした恭弥はとってもかっこよくて、…場違いなのはわかっているのだけど、ドキドキしてしまったのは秘密だ。

恭弥と一緒にボンゴレが貸し切ったお城へと向かう。
周りは厳重な警備がされていて、少しだけその雰囲気に飲みこまれてしまう。

いよいよツナが十代目に、みんなはその守護者に、なるんだ。
そして、武を傷つけた犯人を、見つける。

自然と手に力が入っていたのか、恭弥が私の手に手を重ねて安心させるように微笑みかける。



「緊張してる?」

「…うん。何が起こるかわからないし…」

「大丈夫。僕がいるんだから」

「ふふ、うん。そうだよね」



恭弥の手に私ももう片一方の手を重ねてそっと目を閉じる。
恭弥の手の温もりにざわざわとしていた心が少しだけ落ち着いて、自然と力も抜けていった。
ちゅ、と恭弥が軽く私にキスすると「おまじないだよ」と笑う。

つきました、と草壁さんに言われて、私たちは気を引き締めてドアをあけ放つ。
たくさんの人たちの視線がつきささるが、私たちは気にせずに中へと進んでいく。



「あれは月の、」

「なぜ10代目と一緒じゃない」

「あの男は?」

「なんでも十代目ファミリー雲の守護者とか」

「なんと、雲か」

「それにしても月は美しい」

「初代以来だとか」

「おぉ、それは、」



どんなことを言われていようと私と恭弥はツナたちを探すために足を進める。
どうやらツナたちは中庭にいて、炎真くんたちと一緒にいるようだ。
炎真君たちと話が終わったころを見計らって恭弥がかすかな殺気を漂わせてみんなに近づく。



「雲雀さん!!美瑠ちゃん!!」

「うちの校内でうちの生徒が傷つけられたんだ。犯人は咬み殺す」

「これでボンゴレの守護者が全員揃ったな!奴は極限に頼りになる男だ!!」

「はいっ」

「さぁ継承式へのりこむぞ」



こくり、とツナがうなずくと私たちはみんなで会場へと入っていく。

ボスであるツナが一番前、その一歩下がった右隣に私、そしてその後ろに守護者である武や隼人が並ぶ。
恭弥は群れるなんてごめんだけど、今日だけだからね、なんて言って一番後ろにつく。

厳粛な雰囲気の中、ツナはゆっくりと九代目であるおじいさまがいる場所まで歩いていく。

周りにはたくさんのマフィアの人たち。…この中に、犯人がいる。



「これよりプリーモの時代より受け継がれしボンゴレボスの証である小瓶をボンゴレ\世よりボンゴレ]世へ継承する」



厳重に保管された箱がゆっくりと運ばれてくる。

あの中に、罪が入っている……
犯人はきっとこの罪を狙ってくるはず。…でも、どこから…いったい誰が……


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