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「炎真…君…?」



そこにいたのは、シモンファミリーのみんな。
その表情は見たことがないくらい冷たくて…炎真君が怖いくらい、無表情だった。



「“罪”は返してもらうよ。この血は僕らシモンファミリーのものだから」

「何を…言ってるの…?」

「聞いての通り、“罪”を手に入れるために我々はこの継承式へ来た」



罪が目的…つまり、それは、…武を襲った犯人の目的と一緒。

シモンファミリーは並盛中にいて、武の傍にいた。
つまり、そこから導き出される結論は、一つ。



「山本をやったのって…」

「あなたたちなの…っ」

「そう、僕らだよ」

「っ!!」

「どうしても必要なものだったんだ」



小瓶のふたを開けて、炎真君は持っていたリングに小瓶の中の液体をかける。
シュゥゥという音を立てて、封印が解けたかと思うと力が一気にあふれ出す。

見たこともない炎。…そして、恐ろしいほどの力を感じる、初めての力。



「力を取り戻して、ボンゴレに復讐するために」



炎真君の言葉に、私もツナも大きな衝撃を受ける。

どうして、ボンゴレに復讐なんて……
あの時一緒に笑いあったことは、なかったことになったの…?
あの笑顔は、嘘だったっていうの…っ!?

ツナも信じられなかったようで「なんでだ!!」と死ぬ気になって炎真君をにらむ。
そんな感情的なツナに対して、炎真君はどこまでも淡々としていた。



「彼がボンゴレの君の守護者であることにかわりはないんだ。当然の報いだ」

「なにっ」

「本来ならば継承式まで生かしておくつもりだった。我々にとって“罪”を奪うまでは敵と悟られぬことが優先だったのだからな」



アーデルハイトさんから語られたのは、武が偶然にも自分たちの正体を知ってしまったこと。
ギーグファミリーは自分たちが消したこと。
武が知ったのは水野薫さんが持っていた計画とシモンリングを見てしまったことを語った。

シモンリング、なんて聞いたことがない……

みんなも同じだったようだったが、知らないのも無理はないようだった。
シモンリングは昔から地中に眠っていた門外不出の至宝であり、この間の…私たちが未来から帰ってきたときに起こしてしまった地震で出土するまで誰の目にも触れてこなかったものらしい。
シモンファミリーのみんなは先祖の言い伝えにより初代ボスのシモン=コザァートの眠る土地を守ってきたそうだ。
しかし、先日の地震で土地が隆起し、地中からシモン=コザァートの遺品が出土した。

―――7つのシモンリングが。



「そしてこのリングを完全に覚醒させるために必要なのが“罪”と言われる初代シモンの血」

「罪が、初代シモンの血…!?」

「9代目、それは本当なのか?」

「いいや…聞いたことがない…」



おじいさまが[世さまから聞いた話はただ『忘れてはならない戦いの血』とだけしか言われなかったそうだ。

しかし、おじいさまの言葉をアーデルハイトさんは「愚かだ」と嘲笑う。
なぜ本当の罪の中身を知る人がいないのか…それは先祖が自分たちの失態を隠すべく、過去の真実を闇に葬り去ったからだと。

ボンゴレ創世記においてシモンファミリーはボンゴレファミリーの兄弟ファミリーとして中心的な存在だった。
当時、欧州を手に入れるため、最も勢力のあった難攻不落の巨大ファミリーを攻める計画を立てていた。
戦いに勝利するため、シモンファミリーを囮役に指名し、シモンファミリーは敵地へと向かった。

シモンは指示通りに敵をおびき出し、ボンゴレの救援を待ったが…いくら待っても助けは来なかった。

やがて孤立したシモンファミリーは四方を敵に囲まれ…ファミリー全員が無残な最期を遂げた。



「…っ(ひどい…)」

「初代のシモンボスは、ボンゴレプリーモに裏切られ、見殺しにされたんだ」



ボンゴレファミリーはこの戦いの記録を隠すために抹消した。
それだけでは飽き足らず、敗戦の責任をすべて生き残ったシモンファミリーに被せて戦犯扱いしたのだ。

そこからは、地獄。

マフィア界からは蔑まれ、日陰の道から出ることを許されなかった。


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