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炎真の手を握りしめているとふいに過去の記憶がよぎる。
シモンファミリーが孤立しているという報告。すぐに助けに行こうとしたプリーモさま。
そして、Dに任せられたシモンファミリーの救出。
…そっか…やっぱり、プリーモさまは助けに行こうとしていた…!
誤解なんだ。やっぱり、誤解なんだよ…!炎真…!
すると時間をおくことなく、再び過去の記憶が流れていく。
『我々が確実に消してやる必要がありそうだ』
『…!?』
『これより速やかにシモンファミリーのもとへ行き、ファミリーを全滅させ、シモン=コザァートを八つ裂きにするのです』
『!!』
『死炎印のついた指令書を持っていけば味方だと信じ、隙も生まれよう』
『了解しました』
この後Dはボロボロになったふりをしてコザァートさんが死んだと報告する。
…なんて、ひどいことを…!まさか、仲間であるDさんの差し金でこんなことになるなんて…!!
こんな裏切り、と手を握りしめると次の映像が広がっていく。
『シモン=コザァートさま、ボンゴレファミリーのD・スペードの使いの者です。救援に参りました』
『嘘をつくな。そのDという男の命令でおれ達を全滅させに来たんじゃないのか?』
『…っ!!』
『やはりな。ボンゴレの中に裏切り者がいることには気づいていた』
『なに!!』
『送られてきた手紙には“T世より”と結ばれていた。ジョットはオレに自分のことをT世とは絶対に言わない。
3枚目は偽物だ。ジョットの身を案じ、駆け付けたがD・スペードの方が一枚上手だったらしい……
もはやここまでというわけか……だがオレは最後まで戦うぞ!!たとえこの身が朽ちようとも、ファミリーと友のために!!』
『……。お言葉だが、ボンゴレT世はD・スペードより更に上手だ』
『我々のボスはD・スペードの企てを見抜いていたのだ。
ボンゴレT世の命により…いや、お前とジョットの友情において、おれ達がシモンファミリーを、死守する!』
『G!!』
『コザァート、こいつらはオレと同じジョットの守護者だ。信用してくれ。
ミチル、コザァートとファミリーの奴らをジョットのところへ案内してくれ』
『うん。コザァートさん、こっちです』
『G…ジョットの守護者たち。ありがとう』
ふわり、と記憶が消えていく。
そっか…やっぱりプリーモさまは裏切っていなかった…!
しかも、プリーモさまはD・スペードの企みを見抜き、助けていたんだ。
よかった、と安心するとともに、早く炎真に目を覚ましてほしかった。
誤解だよ。ボンゴレとシモンの間に裏切りはなかったんだよ、と。
炎真、と炎真に話しかけると同時にぎゅっと強く手を握りしめられ、思わず痛みで眉をしかめる。
「炎真…?」
「ボンゴレ…許サナイ…」
「炎真…!?」
ただならぬ雰囲気。…まさか、これがシモンリングの覚醒だというの…!
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