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炎真はどす黒い雰囲気を持ったまま、私の手を握りしめて歩き出す。
炎真、炎真、と何度も名前を呼んでも炎真に届くことはない。
炎真はゆっくり城の中を歩き…薄暗い王座のような場所に座り込む。
このままじゃ炎真の人格はなくなって…シモンリングに取り込まれてしまう。
「ツナヨシ…コロス…」
「炎真…目を覚まして…!」
「っひょ〜見間違えたじゃねーか、炎真。シモンリングの覚醒が終わったみたいだな。
オレちんもだぜ♪…おい、坊主?」
ジュリーさんが炎真の頭に手を置くと、炎真はぎろりとジュリーさんをにらみつける。
今までの炎真なら絶対にありえないことなのに……
完全に炎真はシモンリングに取り込まれてしまっている…っ
怖い怖い、と手を引っ込めるジュリーさんは残念な知らせがある、と言い出す。
「アーデルハイトとカオルも…やられちまった」
「アーデル…ハイト…、…カオル…」
「そーよ、またあいつらだ。お前の大事なもんはみんな奴らが奪う」
「違う!炎真、違うよ!奪ったんじゃない…!!」
「シモン…コザァートモ…マミ…モ…ボンゴレニ…ツナヨシ…ニ…」
炎真の憎しみに反応しているのか、ジュリーさんの体が浮かび上がる。
私は炎真に手をつながれているからか、何の影響もない。
慌てるジュリーさんは地面にたたきつけられて、着地していた。
ツナヨシ、コロス、という言葉をずっと繰り返す炎真に必死に話しかける。
違う、誤解だ、と。しっかりして、炎真、と。何度も、何度も。
それでも私の声は炎真に届くことはない。
「ともあれお前なら大丈夫だ。弱った心をシモンリングに食われ、支配されて、す〜っかり壊れちまってる」
「炎真…っ」
「もう誰の声も届きませんよ、美瑠。古里炎真は完全なる殺人マシーンとして生まれ変わったのです」
「そんな…!」
「沢田綱吉の始末は頼みましたよ、古里炎真。
すべてが終わった暁には二人で祝杯をあげましょう。
沢田の頭蓋骨をグラスにして…ヌッフッフッフ!ハッハッハッハ!!」
「待って、D…!そんなこと、絶対にさせない…!!」
Dの笑い声だけがその場に響き、私は炎真に必死で呼びかける。
どうして私の声は届かないの…っ誰か、助けて…!
炎真を…このままじゃ、炎真もみんなも傷つくだけ……っ
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