3



「美瑠ちゃん!炎真!」

「…!ツナ…みんな…っ」

「美瑠ちゃん、大丈夫!?」

「美瑠」

「恭弥…」



ナッツが駆け寄ってくるが、炎真の様子に怯えてすぐさまツナの後ろに隠れてしまう。
恭弥は私に近寄ると手についていた手錠を切り離してくれる。

怪我は?と心配する恭弥に「大丈夫だよ」と笑い返すと恭弥はほっとしたように息をついた。
さらに、恭弥から手渡されたのは大きな岩。これは?と首を傾げると「ボンゴレリング」と一言。

これが、ボンゴレリング…?壊れたはずじゃ、と困惑が顔に出ていたのか恭弥が簡単に説明してくれた。

とにかく炎を灯してボンゴレリングの魂を呼び起こせばいいんだ。
一気に集中力を高めて、月の炎を大きく灯す。

岩のような形だったボンゴレリングは…まばゆい光とともに姿を現す。
大空のリングと対照的な月のリングだった。

綺麗、と思わずつぶやいていると炎真の炎が一気に広がり、私たちに襲い掛かる。



「アーデルハイトの言ってた通りだな。
今のエンマには誰の言葉も届かない。恨みと殺意の塊だ…」

「ツナ、炎真は何か誤解しているみたいなの。お願い…助けてあげて…!」

「オレに任せて。…エンマのことは、大丈夫」

「何言ってんの?あの小動物は僕のエモノだよ」

「ヒバリさん!」

「まあだけど君が殺されるの待っててあげるよ。その後で僕が咬み殺す」



そういいながらもきっとツナが何とかしてくれることを期待しているのだろう。

その証拠に恭弥からは殺気が感じられない。
恭弥の不器用な言葉に私はくすりと笑うと、ツナは「いってきます」とハイパーモードになる。

オレの言葉を聞け!と語り掛けるけど、炎真の炎は大きくなるばかり。
拳でわからせるしかない、とツナは炎真に向かって飛ぶ。
それなのに球体のようなものが現れて、ツナはその球体に引き寄せられるように飛んでいく。
どうやらツナの意思ではなく、球体に無理やり吸い寄せられているようだ。

リボーンの考えでは炎真の力は重力。一つ一つに重力を持っているからツナが引き寄せられているらしい。


でも、パワーアップしたツナなら大丈夫。

確実に少しずつ炎真との距離を縮めていると、次第に球体はつぶれて、黒い大きな穴へと変化していく。
…星が自らの重力に耐えきれず、つぶれた後にできるものは、ブラックホール。

つまり、一度飲みこまれてしまったら最後。ツナが、危ない…!



「なめるなよ、炎真。この前のオレたちとは違うんだ」



ツナはナッツと形態変化し、ブラックホールを引き離していく。

すごい…今までの炎圧からさらにパワーアップしている…!

まわりにあったブラックホールが縮小し、ツナへと次々にぶつかっていく。


“一人は嫌だ”


…!?今、の…炎真の声…?
でも、本人の口が動いた気配はない。…じゃあ、心の声…?


“さみしい…”


間違いない…!炎真の声!ツナにぶつかるたびに聞こえてくる炎真の心の声。

誰もいない、僕は一人だ、さみしい、助けて!!
そんな悲しくて、寂しそうな声が。


――そっか、炎真は…寂しいんだ。一人はいやなんだ。ツナに、…助けてほしいんだ…!


- 423 -

*前次#


ページ:

back
ALICE+